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 確かに、福岡高校打線は弱い。ヒットを打てる可能性があるのは三番の山﨑と四番の古賀くらいと言える。だが、それは相手が白烏という粗削りながら超高校級の投手であればのことだ。

 福岡高校はゲームプランとして、鉢谷が無失点か最小失点に抑えることを前提に置いていた。が、まさかの蛇沼というゲームメーカーの出現で2点を失った。それならば、白烏の制球難に活路を見出だしたかったが、ギリギリで白烏に堪えられてしまった。


 そこで、この七回。白烏のコントロールは真ん中低め一点に絞られることを突き止め、そのボールをヒットにする作戦で挑み、山﨑と古賀を出塁させることに成功した。

 が、その後の打者が白烏のストレートを確実にヒットにできるかは五分五分、いや、それより低い確率であったろう。ここで滝音が白烏を降板させ、控えピッチャーの藤田にスイッチしてくれたことは、福岡高校にとっては願ったり叶ったりである。

 藤田についても分析している。悪くないピッチャーだが、福岡県大会では藤田より良いピッチャーとは何度も対戦してきた。

 故に、福岡高校ベンチにとっては、またとない愚作を滝音が取ってくれた。そう感じていた。



 打席に五番打者の泉原が入る。山﨑、古賀ほどではないが、クリーンアップを任されるだけあって、相手が藤田とならば打てないことはない。


「泉原ぁ! コース絞って。コンパクトばい!」


 二塁ベース上から山﨑の檄が飛ぶ。


「球種はあるけん、よう見ていけ!」


 一番ベース上から四番の古賀も声をあげる。


 勝負は五分五分か。一、二塁にいるランナー二人は同じことを考えていた。

 できれば甲賀が警戒してフォアボールで満塁……。そうなれば犠牲フライもスクイズもありで、幅が広がる。ヒットなら同点だ。それが理想だが、このピッチャーは制球は良いはずだ。それはさすがに無いか……。

 と、二人は塁上で目を丸くした。そんな二人の考えと全く逆の展開が目の前で始まったからだ。

 滝音が立ち上がったのだ。大きく外へ外すように藤田へ合図している。

 ……敬遠? ピッチャーの代わりばなに?

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