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3

 初球、鋭いストレートが山﨑を襲う。


 パシッィィィィン!!


 滝音のミットに突き刺さるそのボールはいまだに150km/hを超えている。滝音が大きく頷いて白烏へボールを返す。気持ち良さそうに白烏はグローブを鳴らして返球を受け取った。


『解説の渡部さん、甲賀高校の白烏投手は序盤コントロールに苦しむ印象でしたが、ここまでいかがですか?』


『ええ、非常にノビのある直球を投げますし、コントロールも前の回からずっと真ん中の低めへね、しっかりと制球されてますよ。ボールも速いですし、福岡高校打線は糸口を見出だしたいですねぇ』


 山﨑は小さく確認するように頷いていた。変わらず細かいリズムを足で打っている。

 滝音はその仕草を横目で確認していた。白烏に慎重にサインを送る。山﨑の頷きが気になっていた。サインはスライダーだ。

 せっかく低めに安定して決まってきたストレートだけに、白烏は返事をしばらく迷った。だが、マスク越しの滝音の眼光が鋭い。分かった。リードは鏡水、お前に任せる。頷いて、白球の縫い目に人差し指と中指を並べて沿わせた。


 白烏のスライダーは真ん中に入り、山﨑の反応を誘う。立てられていた山﨑の両手が反射的に向きを変える。ボールを捕らえに向かう。だが、そこから白烏のボールは一気に曲がって逃げ始める。鬼ごっこの鬼の手をすり抜けるように。それに気づいた山﨑がかろうじてバットを止める。


 ボーーーール!


 球審が大きく首を横に振った。曲がり過ぎるボールは外角に外れていた。

 白烏が渋い顔で滝音からのボールを受け取る。対する山﨑はふうぅと息を吐き、ボール判定に安堵している。

 滝音はその一挙手一投足を見逃すまいと、横目を光らせていた。


 何を狙っている?

 君たちは何を確認していたというのだ?

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