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甲賀忍者、甲子園へ行く2《甲子園編》  作者: 山城木緑
初戦 文武両道 福岡高校
49/91

22

 これが甲賀の四番か……。データにあったのと打順を変えた意図は……何だ?

 打席で構える蛇沼は、あまりに四番らしくない。この奇策に福岡高校ナインは戸惑っていた。


「鉢谷、ひとつひとつ! 丁寧にいこうぜ」


 山﨑からの檄に鉢谷が頷く。

 鉢谷は変わらず、ただ宙へ送り出すように白球を手から離した。

 ひらり、ふらり、くるり。

 とらえどころのない軌道で蛇沼のもとへと向かう。


 ボーーール!


 球審は僅かに低かったボールに首を振った。蛇沼は同時に縦へ二回、首を振った。


「なるほど。…………なるほどな」


 小さな声に反応したキャッチャーが蛇沼を見ると、キャッチャーは震えあがった。みるみる顔が変わっていく。口が裂けるように見える。……なんだよ、こいつ。


「鈍すぎる。蛇の動きにその動きではついていけまい」


 声色まで変わっている。

 キャッチャーは鉢谷へ向け、サインを送った。

『こいつ、不気味だ。ひとつ、外角へ外そう』

 鉢谷は少し不満げな顔をしたが、頷いて外角に外すようなナックルを投じた。


 ボーール!


 蛇沼はマウンド上の鉢谷を見た。逃げるのか。そう伝えるような目線だ。

 キャッチャーはこの蛇沼を歩かせても良いと思っていた。突然の四番抜擢といい、この打者は少し怖さがある。歩かせてでも鉢谷なら次打者以降を打ち取れる。またしても外すサインを送ったが、鉢谷は明確に首を振った。

 僕の目的は伊賀や甲賀を知ることだ。逃げていては、何の意味もない。悪いが、勝負させてもらう。


「舞え、幻蝶」

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