表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
甲賀忍者、甲子園へ行く2《甲子園編》  作者: 山城木緑
初戦 文武両道 福岡高校
32/91

5

「あいつ、あんま見らんと思ったら、こんなとこにおったっちゃね……」


 山﨑が呟くと、図書委員はクスッと笑い、言った。


「運動部の人は知らんかもね。もうすぐ、珍しいもんが見れるとよ」


「珍しいもん?」


 山﨑が首をひねると、他の図書委員が窓際に歩いていき、そっと窓を開けていく。


「本って、換気せんかったら傷むと。やけん、こうやって帰る前に少し換気するとよ」


「へー、知らんかった。これが珍しかことか?」


 ふふん、と図書委員が笑った。


「ここからよ」


 そう言って、図書委員は鉢谷の方へ手のひらを向けた。山﨑が鉢谷の方へ首を向けると、そこには確かに見たことのない光景が広がっていた。

 開け放たれた窓から、ひらひらと蝶が舞い込んできた。2匹の蝶は吸い寄せられるように上下左右と舞ったあと、すうっと鉢谷の指先にとまったのだ。

 鉢谷は変わらずに右手で本のページを捲っている。本を支える左手の中指と薬指に色鮮やかな蝶がとまり、ゆっくりと羽を上下に揺らしている。


「……な、なんで?」


 山﨑は鉢谷を見ながら図書委員に訊ねた。


「あたしたちも分かんない。でも、こんな安らぐ光景、なかなかなかろ? やけん、あたしたちは敢えて訊ねんとよ」

 

 美しいな。山﨑はしばし鉢谷にみとれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ