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外れスキル翻訳でチートに  作者: 幻影十夢
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たかが『1』されど『1』

イサベルの提案で俺達がいた世界にある現代兵器、銃の製作に取り掛かる。

本来、銃を製作するには工作機械やら精密機械などが必須だ。けど、ここは異世界。銃を製作する為のスキルや道具が存在している。

スキルなら‶錬成〟を取得すればいい。道具であれば錬成版を購入すれば制作作業が可能だが、前者はスキルを取得してスキルレベルを上げないと使い物にならないし、錬成版は購入するにしても金がかかる。

まぁ、前者はともかく後者は問題ない。腐るほどあるというわけではないけど、既に10年は働かなくてもいいぐらいに金は溜まっているが、俺の場合はどちらも必要ない。

創造の精霊の加護の応用で無から有を生み出すだけではなく、錬成モドキも可能とする。俺はその力で銃の製作に取り掛かり、イサベルは錬成版を購入(金は俺が貸した)して銃の製作を行っている。

とはいえ、簡単にはいかない。

そりゃそうだ。精密機械がするような作業を自分達の手で行わなければいけないのだからそう上手く行くはずがなく、失敗を重ねて試行錯誤を繰り返して銃の部品を一つ一つ製作していくしかない。

とはいえ、これはかなり集中力を使うからシビアな作業だ。

「ねぇ、リブロって童貞?」

そんな神経が磨り減るような作業をしている最中、イサベルがそんなことを訊いてきた。

「いきなりなんだよ?」

「いや、ふと思って……………。だってリブロの周りって私を含めても女ばかりでハーレムを形成しているじゃん。だからどうなんかなって気になって………………」

そう言われれば確かに俺の周りには女しかいない。

別に好きでこういう風になったわけじゃないから特に意識はしていなかったが、確かにハーレム主人公のように女に囲まれている。

「お互い前世は童貞のまま死んじゃったし、私に関してはもはや童貞を捨てることさえできないけど親友のその辺の事情はどうなんかなって。やっぱりアリアとはしたの?」

「それ、絶対セシルの前で言うなよ? 言ったら絶交だからな?」

「大丈夫大丈夫。リブロと二人だけの時しかこんなこと訊かないから」

そう言うも俺は警戒を強いる。

まだ性知識に乏しい愛弟子に変な悪影響を与えない様に今後は気をつけておこう。

「………………………アリアとは婚約者(フィアンセ)同士だけどまだキスもしていない。第一、アリアは貴族だぞ? 婚前交渉のようなことしてみろ。下手をすれば俺の首がとぶ」

指で首を斬るジェスチャーする。

まぁ、呪いを解く為に一度したけど……………………。

イサベルはどこか納得するように頷いた。

「それもそうか……………。それならリブロはまだ童貞か」

「いやそれならもうとっくに卒業したぞ?」

「え? マジ?」

「マジ。前に一度話したとは思うけど、俺は少し前までとある行商人の奴隷だったのは話したよな?」

「うん」

「元主人は護衛を雇う代わりに奴隷を買って護衛兼労働力にしていたんだよ。それ以外にも相手のご機嫌取りの為に元娼婦や見た目がいい女性も奴隷として連れていたんだ。まぁ、はっきり言えば性交渉だな」

「ということは………………」

「そ、俺は同じ奴隷仲間であるその人達に女性を悦ばせるテクニックを教わると同時に童貞も卒業したわ」

初めての場所が皆が寝ている馬車の中だったとは夢にも思わなかったけど。

それでもまぁ、その人達には文字通り手取り足取り教わってその人達を満足させるぐらいまでに上手になったけど。まさか二度目の人生はこんなにも早く童貞が卒業できるとは思わなかった。

するとその話を聞いたイサベルが両腕を抱えて俺から距離を取る。

「襲わないでね?」

「そういう冗談マジでやめろ。誰が元男だとわかっている親友を襲うか」

「あ、それもそうだね」

あっけらんかんとする親友に俺は溜息を吐く。

「ついでに言えばな、俺は相手には困ってないんだよ。イサベルは知らないかもしれないけどこの屋敷のメイドとはほぼ毎日夜の相手をしてんだぞ」

「え? なにそのエロゲーみたいな展開。実在してたんだ………………」

「メイドとしての義務ってわけじゃないけど、そういうことをすれば特別手当とかあるらしい。別に貴族社会では珍しいことじゃないらしくアリアも容認している」

「うわぁ…………ある意味、羨ましい。私もせめて男として転生してリブロと出会えていればおこぼれは貰えたかもしれないのに」

「それはしょうがねえよ。転生する際の種族や性別はランダムみたいなんだし」

というかあの神、その辺の事情ぐらい説明してから転生させろよ。俺はまだ前世と同じ男として転生できたからよかったけど、イサベルのように女に転生した元男がいたらどうするんだよ?

特に異世界ハーレムを目標にしている人がいたら転生直後でショックを受けるに違いない。そこはもう逆ハーレムか百合ハーレムを目指すしかなくなるな。

「ともかく俺はそういうことをしているから別に女には困っていないんだよ」

「その台詞。男なら一度は言ってみたい台詞だね」

「まぁ、そうだな………………」

そういえば俺がこの屋敷に来て初めて相手をしてくれたのはユミィさんだったな。初めてだったのによくやろうと思ったもんだ。まぁ俺も断る理由がなかったから存分にやったけど。

………………ん? そういえば。

「なぁ、イサベル。一応はお前は俺の愛人候補だろ?」

「え、まぁそうだけど……………」

「もし、万が一にそういうことをしないといけなくなったらどうする?」

その疑問にイサベルの顔が一気に青くなった。

「貴族が妾や愛人を持つのは不思議じゃないけど、する時はするだろ? ま、まぁ俺もまだ貴族社会については詳しくは知らないけど、もしそういう義務があればどうする? 普通にボディーガードとして働くか?」

「その時が来たら働きます。絶対に働く」

深刻な顔でそう言ってくれる親友に俺は安堵する。

「………………………けど、万が一にそういう展開になったら魔法でも薬でもいいから眠らせてその間にしてください。それならまだ心は守れますから」

「りょ、了解……………………」

まるでこれから戦場に赴く死の覚悟を決めた戦士の顔で告げるイサベルに俺は了承する。

いくら今は女でも元は男の親友を抱こうとは思わないからそういう展開にならないようにしておこう。

「さ、さぁ、話はこれぐらいにして銃の製作を続けようか。王女様も頑張ってトレーニングしていることだし、俺達も頑張らないと」

「………………うん、そうだね」

話を切り換えて銃の製作を再開する。

現在王女様はセシルと一緒に走り込みや筋トレなどをしている。ステータスの数値は微々たるものだけどその微々たる結果が時に大きな変化を生み出す。

0と1は違う。

たかが『1』されど『1』。この『1』が大きな第一歩に繋がる。

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