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外れスキル翻訳でチートに  作者: 幻影十夢
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TS転生した親友

―――相澤竜也。

竜也と出会ったのは幼稚園の頃、何がきっかけで仲良くなったのかは忘れたけど、その頃から気が合って一緒に遊ぶようになった。

一緒に遊んだり、勉強したり、徹夜でゲームしたりなどして気がつけば俺達は互いの関係を親友と呼べるようになった。

そしてその親友と異世界で再会することができたのだが……………………。

「まさか女の子になっていたとは………………」

綺麗な赤い髪をした竜人族の少女。

竜人族の特徴である二本の角や尻尾。容姿はお世辞を抜いても美少女と断言できるぐらいに整っていて、胸部は服の上からでもわかるぐらいに年相応以上に膨らんでいる。

そんな親友に俺は戸惑いながら言う。

「えっとまぁ、美少女になれてよかったな」

「よくないから………………」

取り敢えず美少女に転生できてよかったな、と褒めるが本人は両手で顔を覆る。

それにしても竜也が竜人族になっているということは転生する際になれる種族と性別はランダムかもしれないな。そう仮説を考えれば俺は運が良かった方だな。

「でもお前、よく言っていたじゃねえか。転生したら女の子になりたいって。夢が叶ってんだぞ?」

「それはチヤホヤされたいから言っただけで現実は酷いものだったよ。男達から変な目で見られる毎日は本当に辛い。私は何度鬱になりかけたことか………………」

ああ、女になったことで女にしかわからない苦労を知ってしまったのか。

日本にいた時と微妙に口調も変わっているし、これは相当苦労したんだな………………。

「まぁなんだ。せっかくの再会だ。存分に愚痴ぐらい聞いてやる。それに転生してからのことについても話しておきたいし一緒に飯でもどうだ?」

「うん……………………」

頷く親友に俺は思わず苦笑い。

竜也をアリア達に紹介して一緒に飯を食べながら竜也が転生してからのことについて話してくれた。

俺が事故に会って数日後に竜也もまた事故で命を落とした。

それから俺と同じように神と出会った特典として‶槍術〟スキルを貰ったらしい。

第二の人生は竜人族として生を受け、自分が女の子になっていたことにショックを受けたらしいが、半分開き直って自分が女ということを受け入れることにしたそうだ。

異世界で第二の人生、新たな名前――イサベルとして生きていくことにしたイサベルに最初に待ち受けていたのは戦闘訓練であった。

竜人族にとって強さは絶対。だから誰よりも強くなることは竜人族にとっては当たり前のことらしい。

朝から晩まで厳しい訓練の日々だけどイサベルは異世界だから強くなった方がいいと割り切って訓練に励んでいたそうだ。

そしてどうして竜人族であるイサベルがエルフの街にいるというと竜人族は一定の年齢になると5年間ほど国を出て武者修行の旅に出る掟があるようだ。

流石は戦闘種族。戦いや強くなることで妥協がねえな………………。

自分が人間として生を受けてよかったと思っているとイサベルが妬ましいような目で俺を見てくる。

「まさか親友も異世界に転生していて美人な婚約者(フィアンセ)までいるなんて驚いた……………………」

その視線から逃れるようにそっと目を逸らす。

大丈夫、イサベルにもいつかイケメンの彼氏ができるよ。イサベルが元男だと知っている身としては少し複雑な気持ちだけど………………。

あと、一応ではありますが俺には妾候補もいます。まぁこちらは話さなくてもいいか。

あ、そうだ。せっかくだから聞いておくか。

「なぁ、竜、イサベル。竜人族に爆発系統の魔法もしくはスキル。それが使える人っているか?」

「爆発系統? いや、基本的に竜人族は近接メインだから魔法は補助程度。魔法をメインで戦う竜人族はまずいない筈だけど」

「そうか…………」

ウールさん達の仇について何かわかるかもしれないと思ったけど空振りに終わったか。でも竜人族が近接がメインならウールさん達を殺した奴は魔族の可能性は高いけど、情報も少なすぎるから確定には至れないのは厳しいな。

「それにしてもまさかこんなところで故郷の味に会えるなんて思わなかった」

ずずず、と味噌汁を啜る親友の尻尾は左右に揺れている。

よほど故郷の味が恋しかったのだろう。まぁ、気持ちはわかるが。

久しぶりの和食モドキを満喫しているとエリエールさんが意外そうに言ってくる。

「お二人共お箸を持ったことがあるのですか? エルフ以外の方でお箸を使える人は初めて見ました」

エルフであるエリエールは箸に慣れていて当然として他の皆は箸の使い方に悪戦苦闘をしていた。

どうりで静かだと思った……………。

この世界の食事は基本的にナイフとフォークを使うから箸は無縁の代物。だから慣れない箸にアリア達が苦戦するのも無理はない。

「………………思っていたより難しいわ」

「そ~と、あ」

「むぅ。面倒じゃなこれ」

どうにか箸を使えるようになるうとするアリア、漬物を掴むも途中で落としてしまうセシル、掴むのをやめて刺して食べ始める駄龍。

悪戦苦闘する三人。皆の中で俺とイサベルだけがごく自然に箸を使えているからエリエールさんが意外に思うのも無理はない。

日本では箸は当たり前のものだったから俺達は使えて当たり前だ。

それに普通は箸が使えない人のことも想定して店側はナイフやフォークを用意しておくものだけど、それをしないということはこの店にはナイフやフォークを置いていない可能性があるな。

あーもしかしてエルフ以外の国に米とか話題にならないのはナイフやフォークでは食べられないからかもしれないな。よほどもの好きではない限り、無理して食べようとする人はいないだろうし。

例外がいるとすれば俺達のような転生者ぐらいだ。

「はい。持つ機会がありましたので」

「そうだったのですね。お箸は慣れないと結構大変ですから、私も子供の頃は慣れるまで苦労しました」

「「ああ、わかる」」

俺達はうんうんと頷く。

俺達も小学校に入るまでは親に正しい箸の持ち方など教わって慣れるまで苦労したわ。

………………せっかくだ。アリア達にも箸の持ち方を教えてやるか。

「アリア、セシル。箸はこう持って―――」

既に持つことを諦めている駄龍は置いて二人に箸の持ち方を教えているとイサベルが尋ねてきた。

「ところで総じゃなかったリブロはまだこの街にいるの?」

「ああ、エリエールさんの足が完治するまでいるつもりだ」

「なら一狩り行かない? 私もしばらくはこの街にいるつもりだし」

「それもそうだな。いいぞ、一狩り行こうぜ」

ゲームで、ではないリアルな一狩りにだけど俺はまた親友と一緒にいられることが嬉しかった。

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