10円からはじまる幸せの輪。
僕の手のひらには、10円玉が1枚だけある。
僕の持っている全財産だ!
後は、、、ボロボロの財布と何処かで拾った空き缶。
それ以上は、何も持っていない!
食べる物も住むところも、お金も何もない!
どうやって生きていけばいいのか、、、?
僕の人生はもう、、、終わっているんじゃないかと思う...。
▽
そんな僕は、今は街で物乞いをしている。
ゴミ箱に捨てられていた段ボールを拾って...。
その段ボールを下に引いてそこに座り、空き缶を置いて通りすがりの人に
お金を恵んでもらう、、、僕はそんな毎日を過ごしている。
歩いている人たちは、僕を憐れんでお金を恵んでくれる。
『...可哀想な人。こんな風にはなりたくない! 哀れだな!』
まだ、それならいいが、、、。
...人扱いされない事もある!
▼
でもある時、、、僕の持っていた10円玉が人の役に立った。
僕がいつものように、物乞いをしていると、、、?
一人の男性が、10円が足りなくて電車に乗れないと言っていた!
僕は迷わず、彼に近づき彼に言う。
『良かったら、この10円使っていいよ。』
『えぇ!? でも、、、君の10円だよね? 本当にいいの?』
『うん! どうせただの10円だよ。』
『ありがとう! 必ず返すよ。』
『いいよ! 先も言っただろう! ただの10円だから気にしなくていい!』
『ありがとう! じゃ、この10円もらうよ。』
『あぁ、』
▽
数か月後、、、。
僕はすっかり忘れていた!
僕は何時ものように何時もの場所で、物乞いをしていた。
そうすると、、、?
あの時、、、10円玉をあげた人が僕の目の前に立っていた!
『やあ! 私の事を覚えているかい?』
『い.いや、、、? 僕と会った事があるんですか?』
『以前、君に10円玉をもらった者だよ!』
『あぁ~! 久ぶりだね!』
『あの時は、本当に助かったよ。私は大切な会議があってどうしても
遅れる事が出来なかったからね!』
『そうなの! それは良かったね!』
『そこで! 突然なのだが、君が良ければうちに来ないかい?』
『えぇ!? どういう事なの、、、?』
『仕事と住む家を君に与えるよ! これは私からのお礼だ!』
『で.でも、、、たった10円だよ! それでそんなにしてもらえるの、、、?』
『会議は、大きなプロジェクトの会議だった! 何十億と言うお金が動く事に
なっていたんだよ! それは絶対に私が遅刻できない会議だったからだ!』
『ふーん? そうだったんですか?』
『だから是非! 君に我社に来て欲しい!!!』
『...でも、僕に仕事が出来るとは思えないよ。』
『大丈夫だよ。君は椅子に座っているだけでいい!』
『それは、どういう事なんだ?』
『まぁ、来ればわかるよ!』
『...ううん。』
▼
まさかの、、、!?
僕が任せられたのは、この人が新しく立ち上げた場所での【社長】だった!
『ここは、君が社長でやってくれ!』
『ここで、、、ですか...?』
『最近、出来たところで社長が不在だったから丁度いい!』
『後で、、、君がこれから住む家も案内するよ!』
『なんといっていいのか? 僕なんかに至れり尽くせりで申し訳ないですよ。』
『でも、それだけの事を君は私にしてくれたんだよ! それに私は君を
気に入っているからな! あはは~!』
『...ありがとうございます!』
『ここで! 頑張りたまえ!』
『はい!』
▽
これこそ! 『一発逆転』なのか? 『棚からぼたもち』なのか?
僕はこの10円をあげた人から、大きなプレゼントを手に入れる!
今は、幸せな時間を過ごしているよ。
『僕にとって! 第二の人生がはじまった!』
最後までお読みいただきありがとうございます。