フルダイブ型VRゲームでは得られない体験とは?
・テーブルトークによる肉体的体験
TRPGはテーブルを囲んで会話しながら遊ぶゲームです。
VRMMO同様に自分のキャラクターの発言は、君自身が考えて、君自身の声で行います。この声はリアルボイスです。
話すだけでなく、キャラクターの行動も君自身で考えます。
ただし、キャラクターの行動は実際に身体動作をするのではなく、言葉でもって他のプレイヤーに伝えるようにしてください。
電源を使わないため、ドローンのような遠隔操作はできませんからね。
キャラクターが何をしているのか、何を見て聞いているのか、そうしたことを言葉を使って相手に伝えるわけです。
慣れないうちは苦労すると思います。
相手に伝えようとする体験そのものが君のコミュニケーション能力を目覚めさせ、豊かな刺激を与えてくれるでしょう。
・ロールプレイによる思考的体験
ロールプレイとは役を演じるという意味です。
VRMMOを遊んだ君には馴染みがあると思いますが、自分で作ったキャラクターを自分で演じ、あたかもその世界で暮らす人物のように振る舞います。
TRPGは意識を肉体に残したまま遊ぶので、ごっこ遊びのように演じることが大切です。
例えば、おままごとでは、母親役、父親役、子供役、犬役というようにそれぞれの役割を分担して遊ぶのですが、元の体のまま別の人物を演じています。
これはリアルゲームならではの体験と言えます。
そういう遊びにルールを加えたものが、TRPGと言って良いでしょう。
そのルールが本書には書かれています。
TRPGを遊ぶ前に、一緒に遊ぶプレイヤー同士でルールを確認しておきましょう。
・ゲーム的体験
日常にゲームが溢れた君たちには当たり前かもしれませんが、ゲームとは課題をクリアする過程そのものを指します。
特に、その過程にランダム要素と戦略性の二つが加わったものをゲームと認識しているでしょう。
TRPGにはランダム要素と戦略性があります。
ランダム性は、本作ではカードによって作り出されています。
詳しいことはもう少し先のページで説明しますが、端的に言えば、トランプをプレイヤー全員に配る時にランダム性が発生する、ということです。
このゲームはおよそ5回くらい、50枚ほどのトランプをひと束にして、プレイヤー全員にすべて配ります。
つまり、ランダム性が5回くらい発生するのです。
戦略性は配られたカードを使う時に発生します。
配られたカードは『七並べ』と同じように、君の手番になったら場に出していきます。
どのカードを出すかによってゲームの進行が変わるので、戦略を立てなければなりません。
カードのランダム性は戦略性と組み合わさり、予測のできない物語を生み出します。
君を楽しませるものであったり、試練を与えるものであったりするでしょう。
また、本作には3つ目の要素が加わります。
それは謎解き要素です。
本作の最も重要な要素で、謎解きをしなければゲームがクリアできない仕組みになっています。
謎解きをするには事前知識が必要です。
その事前知識の示し方にルールを設け、ゲームマスター初心者でも謎解きのあるシナリオを作れるようにしたのが、『トランプTRPG ループ&デジャヴ』の一番の特徴だと思います。