入門リプレイ4
■1日目の昼
GM「では昼の時間です。俊敏の高い順で手番が回ってきます」
司馬田/NA「鮫島は状況を確認するために移動します」
司馬田は「田園」と書かれた♣7の隣に、♣8を出し、その上に自分のミープルを置く。
GM/NA「鮫島が訪れた場所は沼だ。神秘的な青色で、一周するのに1分もかからないような小さいもの。コポコポと泡が弾ける音がする。近づいてみるとほのかに温かく、硫黄のような匂いがした」
司馬田「沼を調べるとかってできないですか?」
GM「あ、じゃあ、[【知識】:現在地からの距離が3以内]で判定します」
司馬田「【知識】は11です」
GM「判定は失敗ですね。♢Jから♣8まで距離4あるので」
司馬田「デジャヴ使います」
GM「[キーワード]をどうぞ」
司馬田/鮫島「怪しいものが多いな……。神秘的な青色、泡の弾ける音、硫黄のような匂い……。うむ。[硫黄のような匂い]だ」
GM「はい。えー、判定成功ですね。一応、[硫黄]だけで成功なんですけど、硫黄について何かデジャヴを感じたということで成功です」
GM/NA「鮫島は[硫黄]にデジャヴを覚える。この場所は温泉だ。この時代、温泉は傷病の治療に重宝された。以降、この場所でキーワード[温泉]でデジャヴを行えば、そのキャラクターの【盲目】【毒】【火傷】【出血】をすべて消すことができる。なお、呪いで機械の体、ゾンビ、悪魔の契約者、暑がり、水嫌いを持っている人はこの恩恵を受けられません」
たるきん「おお!」
マグ「これは便利……、あ? てぃあら使えなくね?」
GM「呪いに水嫌いあるから無理ですねー」
司馬田/NA「鮫島は無類の温泉好きなのでひとっ風呂浴びていきます」
一同 笑
GM/NA「温泉に浸かった鮫島は体の疲れが取れた。次にしたのは……」
司馬田「カキコミでしょうね」
GM「でしょうね」
司馬田は♣8の上に「[温泉]でデジャヴ→盲目、毒、火傷、出血を全回復」と書いた。
GM「あとは移動ができます。移動できるのは♣の7だけですね、直線にしか移動できないので」
司馬田/NA「鮫島はもう少し風呂に浸かっていたかったので動きません」
一同 笑
GM「では次はレイジですね。どうぞ」
たるきん/NA「レイジはお城にいるので、この場所にいては危険だと判断して移動します。で、港町に着いたレイジは停泊していた船にひとまず隠れました」
GM/NA「レイジが隠れた船には他のエージェントが潜んでいた。レイジはその人物がこの時代にそぐわない格好をしていることに気づく」
GM「一応、ここで初対面のシーンです」
たるきん/レイジ「お前、この時代の人間じゃないな? エージェントか?」
マグ/てぃあら「エージェント? いいえ、わたしは銀河系〈アイドル〉の姫宮てぃあら!(手文字でTを作る)てぃあらって呼んでくださいね!」
たるきん/レイジ「なんだこいつは……」
マグ/てぃあら「てぃあらです☆」
たるきん/レイジ「押し強いな……。まあいい、てぃあらと言ったか。俺は英務レイジ」
両者の会話がストップして静寂が流れる。
マグ/てぃあら「レイジくんはどうしてここに?」
たるきん/レイジ「城にいたのだが、見つかると厄介だからな。この格好は目立ちすぎる」
マグ/NA「てぃあらは「そうですね」と言ってサングラスをします」
たるきん/レイジ「いや、そこじゃねぇから!」
一同 笑
たるきん/レイジ「俺たちの格好はこの時代からすると未来すぎるんだよ」
マグ/てぃあら「なら、船倉を少し探してみませんか?」
GM「服を探すって感じでいいですか?」
マグ「はい」
GM「じゃあ、ここでは[【知識】:現在地からの距離が3以内]で判定してください」
※用語解説『ここでは』
GMの裁量です。服の獲得はロールプレイにしか影響がないので、OKとしました。
時々、こうしたGMの裁量があります。そういう時はどのステータスで判断するか決めて、目標値を[現在地から距離が3位内]で考えると良いです。
たるきん「【知識】7なので成功ですねー」
マグ「【知識】5だから……、失敗か?」
GM「レイジは距離2だから成功です。てぃあらは距離4あるので失敗ですね」
GM/NA「目立たない格好をしようと決めた二人は船倉で丁度良い服を探した。レイジはこの時代の一般的な町人が着ている服を見つける。てぃあらは何も見つけられなかった」
たるきん/NA「レイジはその服に着替えます。着物ですね」
たるきん/レイジ「これなら怪しまれることもないだろう。さて、俺はある人を探しに行かなければならない。お前はどうする?」
マグ/てぃあら「わたしはあなたの探している人が見つかるように祈っています」
たるきん/レイジ「そうか。変わった奴だが、意外とお前は良い奴なのかもしれないな。あぁ、そうだ、俺たち〈エージェント〉は通信機でいつでも連絡できる。だから何かあったら呼ぶといい」
マグ/てぃあら「はい!」
たるきん/NA「そう言ってレイジは船倉を出ます」
たるきん「観測しますね」
たるきんは手札から♡8を場に出し、自分のミープルをその上に置いた。
GM/NA「レイジが訪れた場所は大河だ。まるで海のような川が広がっている。男が君に「乗るかい?」と声を掛けた。男の様子を見ると、渡し船の船頭のようだ。君はその船に……」
GM「これは選択イベントですね。乗るか乗らないか選べます。ここでデジャヴを使ってもいいです」
たるきん「これ、【知識】でいけますよね?」
GM「あ、いいですよ。【知識】7なので、♡8までの距離は3ですね。成功です」
GM/NA「レイジは渡し船や船頭を見たが、特に変わった様子は見つけられなかった」
たるきん「あー……、情報はもう出てるってことか……。いや? 待てよ……?
はい、デジャヴ使います。キーワードは、えー、[海のような川]で」
※用語解説「情報はもう出てるってことか」
普通、【知識】を使って追加情報を得ることができますが、ここのカードイベントでは追加情報はありません。なので、デジャヴをする時のヒントとして、船にも人物にも変わったところはないと伝えました。残った情報は川の情報だけ。つまり、デジャヴするべきは川ということになります。
GM/NA「レイジは[川]にデジャヴを覚える。この川には対岸がない。船に乗ったら最期、二度と戻れなくなることを悟った」
たるきん「危ねぇ、三途の川じゃん。当然これは「乗らない」と」
GM「じゃあ、次の行動をお願いします」
たるきん「質問でーす。スキル【青春ダッシュ!】を使って、もう一度観測したいんだけど、デジャヴはもう使えない?」
GM「使えないです」
たるきんは手札から♡9を出して、その上にミープルを置いた。
たるきん「でも、確認だけはしようかなと」
GM/NA「レイジは訪れた場所は武家屋敷だ。土間には誰かいるらしいが、他は誰も見当たらない。そこで君は一振りの【刀】を手に入れた。人を斬るには少し短すぎるかもしれない」
GM「【刀】を自由記述に書いておいてください」
たるきん「効果は?」
GM「分かりません、とだけ答えておきます」
たるきん「うわ、デジャヴ使いたいけど、使えないんだよなぁ……。とりあえず、カキコミ使います」
たるきんは♡9に「【刀】が手に入る。デジャヴをしていないので、次はしておく」とメモを書き込んだ。
GM「他にできることがないので、手番はてぃあらに移ります」
マグは♡7にあった自分のミープルを♡9に置く。
GM「いいんですか? てぃあらは【知識】5なので、低い数字の方へ移動した方が有利ですけど」
マグ「あー……。いや、これで。一応理由もロールしておくから」
マグ/てぃあら「レイジくん!」
たるきん/レイジ「なっ、お前! 何しきた?」
マグ/てぃあら「レイジくんは誰か探してるって言ってましたよね?」
たるきん/レイジ「ああ」
マグ/てぃあら「わたしにも手伝わせてください!」
たるきん/レイジ「手伝う? どうして?」
マグ/てぃあら「あ、もしかして、ご自分で見つけなきゃいけない人なんですか?」
たるきん/レイジ「そういうわけではないが……。お前が俺を手伝う義理はないだろ」
マグ/てぃあら「あります!」
たるきん/レイジ「は?」
マグ/てぃあら「それもまたアイドルだからです! 銀河系アイドル姫宮てぃあらは、みんなを応援します!
……というのは建前、いや、本気ですけど。その、自分が誰かを探さなきゃいけないのに、何かあったら呼ぶといい、なんて格好つけすぎだと思います!」
たるきん/レイジ「格好つけすぎ……。でも」
マグ/てぃあら「あー、もう! わたしを頼れって言ってるんです!」
たるきん「男前やわ……」
GM「わかる」
たるきん/レイジ「わ、わかった。お前を頼ってみるとするよ」
マグ/てぃあら「で、誰を探しているんですか?」
たるきん/レイジ「闇堂アクトだ」
マグ/てぃあら「アクトさん、ですね。わっかりましたー! わたし、ドンドン探しちゃいますね!」
GM「てぃあらがレイジのいる場所に来た理由も分かったところで、そろそろ次の行動に移ってください」
マグは手札から♡10を♡9の隣に出し、ミープルをその上に置いた。
GM/NA「てぃあらが移動したのは相撲場だ。「ワッショイ!」君の前に山のような力士が現れる! 荒い鼻息、血走る瞳、鍛え抜かれた四肢、そのどれもが君に恐怖を与えた」
GM「【狂気】判定です」
※用語解説「【狂気】判定」
【狂気】判定という用語はありません。ただ、【狂気】になる前に[【精神】:現在地から距離1以内]で判定すると、【狂気】にならないのでここではそう呼んでいます。
マグ「……マジで? デジャヴは使える?」
GM「あ〜、判定ではデジャヴは使えないですね」
※解説「判定ではデジャヴは使えない」
デジャヴは[キーワード]判定を行う行動。ここで[キーワード]判定をしたところで、【狂気】判定がなくなったり成功したりするわけではないので注意。
おそらく、マグは[キーワード]から出てくる情報によって、事前に力士の登場を知っていたことにする方法で【狂気】判定をなくそうとしているが、すでに恐怖を与えられた状態では意味がない。
マグ「スキルは使える?」
GM「使えますけど……、正直使わなくても大丈夫です。ステ見てください」
※用語解説「ステ」
ステータスの略称。
マグ「【精神】11あるから、成功かな」
GM「イエス」
GM/NA「突然の力士の登場に一時は驚いた君だったが、それが君に向けられたものではないと知って安堵した」
マグ/てぃあら「やーん、びっくりしちゃいましたぁ! お相撲さんってこんなにおっきいんですね〜!」
マグ「デジャヴ使います。キーワードは[力士]で」
一同、その切り替えの落差に吹き出す。
GM「えー、[力士]は失敗です」
マグ「カキコミします」
マグは♡10に「狂気判定あり」と書き込んだ。
GM「それでは全員の手番が終わりました。この時点で【瀕死】の人はいませんね? いないようなので、1日目の昼は終了です。次は1日目の夜をやろうと思います」
司馬田「結局、ヒントらしいヒントは何も出ませんでしたね」
たるきん「【刀】あるから! 絶対なにかのイベントに使う奴だよこれ」
マグ「1日目で出たのは温泉、三途の川、武家屋敷、相撲場か。相撲場はてぃあら以外がスモウレスラーによる狂気チェックあるしな。これは生き延びたい」
■1日目の夜
GM「えー、判定なしのイベントです」
司馬田「あー、怖くなってきた……」
GM「はい。じゃあ、チェック終わりました」
GM/NA「おはようございます。君たちは1日目の朝を迎えました」
一同「あああああああ!」
たるきん「初見殺しや……」
マグ「控えめに言って無理ゲー」
※用語解説「初見殺し」
初見を殺すこと。ゲーム用語。正攻法が通じないとか予想外の攻撃を受けるとか、そういう意味合いで使われる。予備知識なしではほぼ確実に敗北するような場合も使う。今回場合はこれ。
※用語解説「無理ゲー」
苛烈な条件、高難易度な設定によってクリアするのが非常に困難なゲーム。
GM「これは運が悪かったとしか言えない感じ」
たるきん「あー。というと、アレか? ボーイの能力で進みすぎたんかね?」
マグ「じゃあ死んだのてぃあらか」
GM「お答えできないですねー。1日目にループした原因もカードイベントからヒントを得られますから、よくと探してみてください。
それと、1日目になったので、ミープルを初期位置に戻して、数字が7以外のカードはすべて回収します」
GMはカードを集めて、よく切っていく。その後、PL全員に均等に配った。
司馬田「次は数字が小さい方とか探してみませんか?」
マグ「だなぁ」
たるきん「1日目でこれってことは、たぶん、行けるところにしかヒントないからね」
こうして2度目の1日目を迎える3人だった。
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■今回のデイリーイベントの解説
1日目のデイリーイベントは「辻斬り」でした。
イベントの発生条件は【刀】を持つプレイヤーがいる時に夜になる、です。
突如として辻斬りがそのプレイヤーに襲いかかり、プレイヤーは死んでしまいます。
デイリーイベントは様々なサンプルを用意する予定です。
作者はやる気さえあればアイディアに枯渇しないタイプの書き手なので、やる気が出た時にサンプルを書き込んでいきますので、ご容赦よろしくお願いします。




