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ヒモになりたいお年頃。  作者: 長井瑞希
第0章 始動
7/11

7.りあるなんてくそげーです。

タイトルがひらがななのは仕様です。

「まったく……俺もまだまだってことか……」

「……というと?」

「マスターは、俺の何倍も強いんだ」

「えっ?」

 あのダンディーなおじさまが? 怪物みたいなこのおっさんよりも!?

「強さってものにも色々あるが、総合的にまだまだだってことなんだろうな。お前と同じ扱いだった」

 確かに、マスターは執拗に『君たち』と言っていたな。

「でも、そんなにすごいので?」

「ああ。あの人はな、化け物だ」

 時速60キロだせる人間に言われたくないと思うけど。

「唯一魔法が苦手って話だが、実際のところはどうなのか、俺にはわからん。だが、伝説にもなってるからな、強いのは確かだ」

「……伝説?」

「ああ。生ける伝説よ」

「ふーん」

 正直、その伝説とやらに興味がないわけではない。が、今回はそれに勝るものがある。

「で、この便利アイテムっていったい何なのさ」

 この、ボールのような紫色の玉は。

「ああ、コレはな、魔石っていうモンだ」

「マ○キ……?」

 芸人が所属してる……? あ、違う、魔石ね、うん知ってたよ?

「で、この魔石なんだが、ただの魔石とは比べものにならないぐらいすごいぞ」

「というと?」

「魔石ってものは、魔物にとっての心臓なんだが……魔物って分かるか?」

「スライムとかゴブリンとか?」

「分かってるなら話は早いな。この魔石は、ゴブリンやオークからとれるものより二回り大きいんだ。つまり……」

「ドラゴン?」

「いや、ドラゴンじゃない。さしずめ上位オーガの魔石ってとこだろう。

 ちなみに、ドラゴンに魔石はないぞ。ワイバーンにはあるが」

 上位オーガ、かぁ……。

「その中でもかなり状態がいいんじゃないか? 売ればそれなりになるぞ」

「あ、もしかしてコレ売って生活基盤作れってこと?」

「ところがどっこい、話はそう簡単じゃない」

「……え、どういうことさ」

 難しい話は嫌だよ?

「魔石ってものは、いくつか使い道があるんだ。錬金術だったり、魔道具だったり、あとは……翻訳魔法の永続化なんかに使われたりするな」

「錬金術って、鉛を金に変えるやつ?」

「そうだ。最近は……なんて言ったかな、ウラン、そう、ウランについて調べてるって聞いたな」

 核爆弾でも作る気なのかな……?

 っと、そうじゃないや。

「結局、僕が使えそうな方法はなかったんだけど……?」

「そんなことはどうでもいいんだ」

 どうでもよくねぇよ。

「重要なことは学校で教えてもらえ」

「えっと……今なんて?」

 ものすごい嫌な予感が……。

「安心しな。学校まで連れてってやるからよ」

 うわ、もしかしなくても幻聴じゃなかったかぁ……。

「え、なに学校に行くの? 異世界に来たのに? マジで?」

「つべこべ言わずにとっとと支度しろ」

 うっわなにこのクソゲー。

学校……単位……留年……ウッ、アタマガ……。

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