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ヒモになりたいお年頃。  作者: 長井瑞希
第0章 始動
5/11

5.筋肉は偉大だった……?

「……ギルド?」

「まぁ、なんだ。とりあえず中で話そうや」

 さっきからちょくちょく思うけど、しげるは強引だなぁ……。


 建物の中にはかなりの人が居て、ひょっとすると僕達が座れる場所なんてないのでは? なんて思ったりもしたけど、どうやらそれは杞憂だったらしく、テーブル席に案内された。

 ファミレスの席とは違って、4方向から座るタイプのテーブル席だった。カフェテラスとかによくありそうなタイプかな。

「そういえば、自己紹介がまだだったよな。俺はアランだ。よろしく」

 しげる……もといアランはそう言うと手を差し出してきた。

「僕は……」

 アランに自己紹介しようとして、やめる。

 アランは自分を助けてくれた、いわば恩人だ。だが、本当に信用できる相手だろうか?

 50キロの重りを片腕で担ぎながら時速60キロで走る人間は、はっきり言って異常すぎる。

 今更感はあるが、下手に情報を伝えるべきではないと思われた。

「ふむ……まぁ、坊主が話したくないってんなら、今はまだいいか」

「そうしてくれると助かるね」

 で、相変わらずだけどアラン以外の2人は口を開くことすらしない。動くマネキンかな?

「さて、坊主にはいくつか説明しなきゃならねぇことがある」

「……説明?」

「あー、説明っていうよりは謝罪の方が近いかもしれんが」

「……?」

「ウチの世界の女神様が、坊主を転移させちまったと、そういうわけさ」

「……は?」

 この男は何を言っているんだ? 女神? 転移?

「坊主の元の世界がどんなものだったか、俺にはわからねぇ。だが、この世界のことなら説明してやれる。いいか? この世界はだなぁ……」

「……いやいやいや、ちょっと待ってよ!」

 なに、ここはカルト宗教の集会場なの!? 女神とか宗教怖いよ!

「あー、確かに納得いかないかもしれないが、コレが事実なんだ」

「いやいや、いきなり転移とかいわれてもね?」

「そうはいうが、坊主は魔法陣を通り、女神に出会ってこの世界に来たはずだ。それらしいものに出会ったろ?」

 言われてみれば、魔法陣には襲われたしよく分からん面倒な女に出会った気がする。

「だからって、はいそうですかって納得できる問題でもないよね?」

「それは確かにそうかもしれんが……そういえば、坊主の世界に魔法は有ったか?」

「魔法? 魔法なんて有るわけが……」

「あるんだよ。この世界には、な」

 そう言うとアランはテーブルの上に右手を出し、人差し指を立てた。

「いいか、よく見とけよ? ……火よ灯れ」

 すると、アランの人差し指に小さな火が現れた。

「……マジック?」

「魔法だって言ってるだろうが。……そろそろ、認めたらどうだ?」

 ……確かに、目の前にはこれ以上ないってくらいの証拠がある。認めよう。

「魔法であんなに速く走ることができたし、僕を担ぐこともできたと、そういうことだね?」

「いや、あれは魔法なんて使っていないが?」

「……」

 なんなんだ、マジで。

残弾在庫切れのため次回未定。

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