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ヒモになりたいお年頃。  作者: 長井瑞希
第0章 始動
10/11

10.お別れ

 学校はこれまでに見てきた王都の建物とは違って、どこかおしゃれな雰囲気が漂っていた。具体的には、レンガで色鮮やかになってる。これまでのものがねずみ色のコンクリートもどきだっただけに、感動も大きい。

 正面に見えるものが一番大きく、おそらくは本校舎だと思われる。おしゃれさも一番だ。

 その手前にはちょっとした門があって、学校の敷地は植木と柵で囲まれていた。

 左の方に目を向ければ、大きさやおしゃれ度は本校舎に劣るものの、立派な建物があった。ベランダもついてるし、たぶん学生寮だ。僕もあそこで暮らすのだろう。ドキドキする。

 右の方はというと……野球ドームみたいななにかがある。おしゃれさのかけらもない。

「もしかして、この世界ってそこまで文化レベル高くない……?」

 また一つ不安が。

「っと、待たせたな」

「あ、そういえばなにやってたの?」

 そう、アランは学校に着くなりどこかに消えていたのだ。

「ああ、手続きをちょっとな」

「ふーん。おつかれ」

「馴れ馴れしいなオイ」

 アランの扱いなんて正直こんなものでいいと思う。

「……そろそろ時間か……」

 お別れ……か。こんな奴でもさみしいものだね。

「変態が来る前に去るとするか! じゃあな、達者でな!」

「え、そんな理由で!? うっわ早!」

 ものすごい勢いで離れていくアランという名のハゲ。

 いや、ハゲはいかんな。本人のためにもスキンヘッドと言っておこう。

「また……いつか会えるかな……?」

 正直、二度と会いたくないけど。なぜなら安全装置のついてないジェットコースターもどきだから。

 でも、今度会ったらお礼を言おうと思う。なんだかんだで優しくしてくれたし。本当に会いたくないけど。

 そんなことより、だ。

「えっと……これからどうすればいいの……?」

 説明なしで放置はひどいと思います。


   ▼     △     ▼


 とはいえ、呆然としているわけにもいかない。

「……ん? あの人は……?」

 即死呪文を連発しそうな見た目の門番が手招きしてるな。

「えっと……ついてこいってこと……?」

 あ、頷いてる。

 アランとの温度差、激しいなあぁ……。

 門を通って、学校の敷地に入る。

 校舎に入ると見せかけて、門番は寮っぽい場所へと歩き出した。

 いや、ちょくちょくこっちのこと振り返ってはにこやかにしてくれるもんだから、アランとは違うなーって思うわけですよ。

 僕、なんでこの人に一番最初に出会わなかったんだろう……。

 ん? 今度は右ですか? ということは目的地は寮ではない、と。

 というか、なにかしゃべって欲しいんだけどなぁ……。

神官様だぜベイベ―

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