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シーノ・シュバルツ

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



シーノは今の光景が余りにも変に見えた。レアンは今は子供のようにそわそわしながらご飯をまだかまだかと待っている。さっきのまでのアレが嘘のようである。つい、それとなくシーノは聞いた。


「レアンって二重人格?」


「ん?あー、ううん。そこまで複雑なものじゃないよ。何て言うんだろ?自分のなかにスイッチがあって場合によって使い分けてるって感じかな。」


レアンはおどけるように言った。そして、丁度説明し終わった後、店員が先程注文したパスタを持ってきた。レアンは店員に「ありがとう」と言った。


「それってつまり、集中してるかしてないかってこと?」


「うん。そんな感じで合ってるよ。何ならさっきの感じて話そうか?」


「いや、こっちで良いよ。っていうかボクあれ結構苦手な気がする。」


シーノは苦笑いしながら言う。レアンは注文したパスタを頬張りながら「わかった。」と言うように頷いている。今はなんとも言えぬ嬉しそうな顔をしている。シーノはここで本題を切り出した。


「気になってたんだけどさっきのアレ。どうやったの?魔法ではないみたいだけど?」


レアンは食べ物を飲み込んでから


「あれは・・・。言っても良かったんだっけ?コールが言っちゃダメって言ってたような?どうなんだろ?う~ん・・・。」


「誰にも言わないから。ダメ?」


ほとんど駄目元で聞いてみた。駄目なら交換条件で教えてもらうつもりだった。しかし、


「言わない?言わないなら良いや。教えてあげる。」


あっさりしたものだった。正直心配になってきた。でも教えてもらえるなら、と思いなにも言わなかった。


「僕は実はギフトウェポンって特殊な武器を持っているんだけどそれの能力を使ったんだ。あっ、そのギフトウェポンがこれね。」


レアンは自分の剣を取り出した。色々と装飾がされている観賞用のものだ。(ギフト・・・思った通りだ。)シーノはそう思った。しかし、次の言葉でシーノの予想は大きく外れる。


「で、その能力なんだけど、武器の形状変化なんだ。」


「えっ、・・・・・。それだけ・・・なの?」


「うん。そうだよー。強いでしょ?」


シーノは信じられなかった。あの銃を奪い取った能力がこんな単純な物だったなんて・・・。彼女はてっきり風を操るタイプの能力だと思っていた。ならば彼はどうやってあんなことを・・・?謎はさらに深まってしまった。


「じゃあ、あの時は何を使ったの?」


「あの時は、鉄糸っていう糸に変化させたんだよ。見えない位にまで透明度を上げたやつをね。先のほうに鉤爪を着けたから取ることは簡単だよ。」


その方法は余りにも単純なものだった。能力もそうだか、方法も種が分かれば大したことはない。ただし、実行するとしたらその方法は難しいなんてもんじゃなかった。そもそも糸で銃を狙うのですら大変である。それも透明な分当てるのは難易度がさらに増すだろう。それを五人ほぼ同時に。相当の実力がないと無理だ。予想とは違うが、その予想を越えるのなら願ったりかなったりだ。シーノは

レアンに提案しようとした。しかし、先に話し出したのはレアンだった。


「ちなみに、あの時に僕が来なかったらどうしたの?怖がってなかったから、何か手があったんでしょ?」


雰囲気が変わった。


「いや、銃を持ってるとはその時は思ってなかったからだよ。それまでは普通に倒せると思ってたけど・・・。あのまま君が来なかったら逃げてたと思う。」


「倒すとしたらどうやって?」


「・・・ボクも銃を使うからそれを使おうと思っただけ。」


「銃もないのに?」


シーノは、眉をピクッとなった。いつの間にか確認したのか。そう。彼女は今は銃を持っていない。しかし、それは今は取り出そうとすれば取り出せるのである。しかし、その方法を言うのは少し躊躇った。だが、彼は自分を信じてくれた。ならば自分も・・・


「言わないって約束してくれる?」


「もちろん。で、そのペンダントの能力は?」


「!!・・・何でペンダントって分かったの?」


シーノは隠していたことを言い当てられ驚いた。


「・・・まぁ、いいか。そう。ボクのこのペンダントは君の剣と同じ。ギフトなんだ。能力はものの収納。正直単純だと思われるだろうけど。やろうと思えば一人で国と同じくらい武器を収納できると考えれば・・・。」


「確かに勢力的な話になれば凄いね。しかも、今のは武器だけの話でそれ以外も入れられると考えたら便利なんてもんじゃないね。あっ、だから手持ちが少ないのか。成る程~。」


「でも、残念ながら人は入れられないの。」


「なんか、怖いな~。今の発言。」


シーノは人とは余り話さない方だった。性格が少し人見知りなところがあるからである。しかし、今は普通に話してる。人と話すなんて当たり前のことであるが人見知りであるシーノには特別なことである。だからこそ、シーノ自身が一番驚いていた。今彼女は初めて話すことを楽しいと思っている。


(ボクって今笑っているのかな?。)


なんて思っていた。話は今はもう全然関係ない話になっている。元々頼むことがあったはずである。しかし、そんなことも忘れてシーノはレアンと話を続けた。


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