バッドエンドレス。
※このストーリーは、前作「ハッピーエンド」の後日談となっております。前作を読んだ後に読むことをおすすめします!
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今日、家で飼われていた猫が死んだ。
正直、どーでもいい話。
だってわたし、あの子のこと大ッッッ嫌いだったもの。
わたしの方が先に来たのに、あの子にばっかり夢中になって。
昔はわたしのこと可愛いってあんなにちやほやしてたじゃない。
朝から夜まで、遊ぶ時も寝る時も、いつも一緒で。
わたしを親友だって言ってくれて、誰にも言えない相談とか悩みも、こっそり私に教えてくれたりして。
おはようもおやすみも、わたしのものだった。そう、わたしだけの。
あのときは毎日がきらきらしてて、、本当に、本当に幸せだったなぁ。
明日も明後日もその次の日も、永遠にこの時間が続くと思ってた。終わるわけないって思ってた。
でも、そんな時間あっというまで。
気付いたときには部屋の隅。
そして、私の特等席だった場所には、あの子がいた。
朝から夜まで、遊ぶ時も寝る時も、あの子と一緒で。
いつしか親友の座はあの子に奪われた。
おはようもおやすみも、あの子のものになってたの。
悲しかった。
泣き叫びたかった。
私はここにいるよって、伝えたかった。
でも、そんなこと出来るわけもなくて。
だからわたしは、空っぽの頭で考えた。
考えて考えて、ようやく見つけた答え。
待てばいいんだ。時が経つのを。
わたしは知ってる。生き物はやがて老い、死ぬ。
あの子がいなくなれば、きらきらした毎日が、きっとまた訪れるはず。
そう信じて、私は待ち続けた。
輝く未来を夢見ながら、何日も、何日も。
そして今日、やっとその時が来たの。
わたしから何もかも奪ったあの子はもういない。
これからは、キラキラした毎日が来る!
幸せな暮らしが待ってるはず!
私はもう、寂しくない、ひとりじゃない!
『、、、、ん?何この人形、こんなのあったっけ?』
『もう汚いし、いらねーか。』
古びた人形は、今日も待ち続ける。
幸せな日を夢見て。
それが永遠に訪れないとも知らずに。