ニートの俺がチートを貰い王道ルートでキュートな姫様のハートを狙ってドラゴンと決斗する
この作品は、「あ、俺そういうのいいんで」の外伝的位置付けですが、
全く読まなくて大丈夫です。
↑↑↑↑↑まえがき↑↑↑↑↑
俺の名前は蔵井 順。今俺は竜が棲むという山に足を踏み入れている。竜のテリトリーだからか大型生物の姿を見せない。
じとっとした高い湿度と鬱蒼とした木々は探索の足を止めさせる。
はあ、どこにいるんだよ。くそ、見つけさえすれば一撃なのに!待ってろ!姫さまー!
突然この世界に召喚されたのは三年前。
召喚した姫様は赤いセーターを着ていた。肩まで伸びた黒髪に、そこから少し飛び出す尖った耳。大人びた顔立ちと、くびれ!
いや、なんだあの腹の薄さ!
顔を見る限りガリガリな感じはしない。
むしろふっくらしている。
ああ、それにしても締め付けるセーターのシルエットが美しい!!
赤と黒のチェック柄のスカートから伸びる足もガリガリなんて感じはなく、スラッとしている。
ああ!腰!!なんて美しさだ!!
いままで太もも派だったはずなのに。
え?姫様の格好はいいから、その後を詳しくって?
そんな風に姫様の腰に目を奪われているうちに、俺はこの山に続く樹海に飛ばされた。
そして足下に紙が一枚。要約すれば、ここに居るドラゴンに毎年襲われているので退治してくれ。…だった。
えっ?いや、待って!?…と。
ここがどこか知らないけれど、いや、そもそもドラゴンってなに?
一般人に何をさすねん!…と。
樹海には巨大化した昆虫たちや、肉食獣がワンサと居た。
だが、なんとかなった。
ふふふ、俺は普通の男ではないのだよ。こっちに召喚される数年前に同じように召喚されたことがあった。
その時に手に入れた加護が、今役立っている。加護の能力は「種子」。
何か食べ物が欲しいなと思うと種が出てきた。埋めたあとは、水魔法と成長魔法ですくすく成長。腹持ちのする濃厚な木の実が育った。
こんなの地球で使う機会がなかった。必要としない力だからな。そしてこの加護で種を育てる魔法と知識も使えるようになった。
そしてトドメは、俺の左右に広がる僕たち。
獣たちの頭には隷属を強制するツタが脳にまで達している。きっともうツタが無くなったら、動くことなく死ぬだろう。
赤い背ビレ?のある黒豹、腕だけで3mもあるシルバーバック、それを余裕で跨ぐ青いダチョウ、さらには8本足のワニに、グリフォンの集団、10mは優にあるムカデ。
そして背後を守るのはエンシェントトレント。こいつは雲をも超える高さでまだ先が見えない。この巨大さながら、森を破壊しない。エンシェントトレントが進む前から木々が消え、進んだ後にまた木々が現れる。進むとしたのはこいつは歩いてない。気付いたら動いている。その移動の動作を認識できないのだ。
その高さからこの付近に獣が居ないとの報告を受け、ここをドラゴンの巣と判断した。
とにかく、この三年探しに探したドラゴンもこいつらが居れば余裕だろう。
ふはは、待ってろドラゴン!待ってて姫様!!
→↓
↑←
今俺は竜が棲むという山で美女の足に踏まれている。竜のテリトリーになぜ美女が?
「…で、これを使ってドラゴンに挑むと?」
美女は俺を遠巻きにビシッと固まった僕たちを指差した。あれ?君たち、ちょっと距離遠くない?
「いや、ひふら(いくら)ホラホン(ドラゴン)でもほのふんへい(この軍勢)でははへは(掛かれば)」
ぬー。足で抑えられた頭が全く動かせない。
「だがドラゴンはもう居ないぞ」
え?
「ドラゴンは転生したのだ」
転生?
「長く生きたドラゴンは、新たなドラゴンの成長を見届けると姿を変えるのだ」
ん?どういうこと?
「ドラゴンが増え続けると世界の生物なぞ絶滅してしまうわ。そして成長したドラゴンは数の回復を図る為、場所を移るのだ。もうここにドラゴンは居ない」
「ほんな~」
「ついでに、お前の言う姫もたぶん居ないぞ」
「えっ?」
「ドラゴンが成長したと言ったろ。あの土地はもう国を成していない。生きていたとしても、王族ならどこか別の国に嫁に行ってるだろう」
ああ、あの腰にはもう会えないのか……。
「で、どうだ。お主、儂の伴侶にならんか?」
「え?」
踏まれていた足が外され、美女を見上げる。
「転生して初めて会った男にしては、お主はなかなか面白い。こんなに獣を従えているしな」
いや、あはっ。
「って!ど、ど、どドラゴン!?」
「なんじゃ今更か。だが儂もなかなかの姿に転生したと思うんじゃがの」
うむ。ただ白いことだけが特徴の粗目の服は大きな胸のせいでおヘソがこんにちはー。
茶色い革の腰巻は、長い足を際立たせる。
おぉおぉ、太もっもー!太ももはやっぱ太いこそ太ももだよな!!
ああ、このガッチリ安定した足!!!
たまんねーーーー!
「で、どうじゃわ「結婚してください!!」しの…」
→↓
↑←
そして俺は転生したドラゴンを嫁にした。
もう地球には帰れないだろうけど後悔はない。
一つ、召喚されて分かったことがある。
それは「やっぱり太もも」だと言うことだ。
間違いない。
↓↓↓↓↓あとがき↓↓↓↓↓
タイトルありきで書き始めました。
韻を踏んで面白そう、と。
でも結局、決斗に種子、無理くりでしたね。
ちなみに主人公の名前はイート ソート。
あと外伝としてますが、タイトル考えた時は繋がってませんでした。
さてどうしよう、とした時にクラス転移に加護、なんて便利な伏線なのでしょう。
なんかクラスメイト順ぐりまわしていろいろできそうです。
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