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一生懸命
その夜誠は寝る前に考えた。ちょうど宝くじの抽選日が遊園地へ行く日だ。もし当たったら色んな意味でサプライズの日になるかもしれない。そう思うと遊園地へ行く日が楽しくなってきた。娘達に喜びを与えるのと一気に裕福になるかもしれない。とめどない妄想が襲い、誠はなかなか寝付けなかった。
遊園地へ行く日までは仕事をがむしゃらに頑張った。いつも日課になっていたナベとの飲みも回数を減らした。ナベには事情を説明したら快く受け入れてくれた。無駄な出費を減らし、宝くじが当たるという神社にも何度かお参りに行った。自分のやるべき事はできる限りしようとした。
その間美香からも何度か遊園地への話があったがばれないようにとまた今度と言って来た。次女理奈も美香にならって行きたいと言ってきたが、これも同じ対応をした。二人とも顔をプクっと膨らませていたが、仕方ない事だ。もうすぐ夢がかなう日がくるのだから。