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一人じゃない
さゆりは手紙を読み終えると、にっこりして誠へ言った。
「あなたが前に宝くじを買いに行ったのは知っているわ。よそよそしくてすぐにわかちゃった。確かにお金がある事は良い事よ。好きなものも買えるし、老後や娘達の為にもあった方がいい。宝くじが悪いって言っているんじゃない。でもお金以上に大切な事があると思うの。それは家族であったり、あなたがあなたらしく生きることだと思うの。今まで頑張ってきたんだから。これからも絶対に乗り越えれるはず。あなた以外にも私達がついているんだから」
誠は大粒の涙を流した。今まで何でも一人でやろうともがいていて、お金の事しか考えず、生活をしていた。仕事もプライベートも焦っていて、自分を見失っていたのだと思う。
でもみんなの言葉を聞いて、自分は一人じゃないと知った。一人の力では小さいかもしれないが、みんなの力であれば大きな山も越えれる。もっと自分らしくのびのびと生きようと思った」
「みんな……。ありがとう。本当にありがとう」
誠の涙は止まる事がなかった。ポケットに入っていた宝くじはしちゃくちゃになっていた。




