娘たちのありがとう
ベンチへ着いて、みんなは傘をたたんで座った。家族四人くらいが入れる屋根つきのベンチで以前と変わらない趣きがあった。誠は周りをキョロキョロとし、懐かしさに浸った。
少しばかり四人で雨の降る景色を眺めていたが、さゆりがにやっと笑い言った。
「今日はパパにプレゼントがあります。日ごろの感謝をこめて、美香、理奈から手紙があるみたいよ」
そう言って、美香、理奈はベンチから立ち、パパの前へ立った。
「おい。なんだよ。手紙って……」誠はびっくりしている。
「いいから。あなたは聞いていて。美香お願いね」
さゆりは美香にそう言って、ゴーサインを出した。
美香はそれを見て手紙を広げ、読んだ。
「パパへ。
今日は遊園地へ連れて行ってくれてありがとう。パパにはいつもおしごとで疲れているのに無茶な事ばかり言ってごめんね。仕事をしているパパはみたことないけど、とってもかっこいいんだなと思います。いっつも休日美香と理奈と遊んでくれて本当にありがとう。
いつも楽しそうに遊んでいるパパを見るのが大好きです。たまに買いたいおもちゃがあって駄々をこねてごめんね。お金の事でパパは悩んでいると思うけど、私たちは元気な姿のパパを見るのが好きです。大好きなパパ。いつまでも元気でね。美香 理奈」
美香は手紙を読み、満面の笑みを見せた。理奈も同様にその顔をした。
誠の顔には涙が流れていた。娘達に何もしてあげれなかったと思っていたが、娘達が自分を慕って、大好きだと言ってくれた事に対して感謝した。いままでの生活にありがとうと思った。




