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JOY  作者: co
第10章・ショコラブラウンのジョイ
99/130

 10年も経って初めて人にすがって泣いた。

 寂しかったのだ。自分はこんなにも寂しかったのだ。

 だけど誰にも頼れなかった。

 先輩以外に頼るなんてできなかった。

 先輩以外に涙をみせるわけにはいかなかった。


 昨日まで10年もたった一人で耐えてきたのだと改めて思った。

 ずいぶん頑張った。

 ただ大沢君がいなければ、まだ頑張っていたはずだ。


 もう、頑張らなくてもいい。

 そう思うとまた涙がこぼれた。


 10年も一人で、よく頑張ったな。

 頑張った自分を誇りに思う。

 救ってくれた大沢君をありがたいと思う。


 浅井は涙を拭いて、大沢にありがとうと言った。


「でも」

 大沢はまだ泣いていた。

「多分俺、先輩に嫉妬すると思うんだけど」

 浅井が吹き出した。

「笑い事じゃない!俺きっとこれからも先輩と比べたりして、」

「比べたりしないよ」

 笑いながら浅井が言った。


「比べないよ。先輩と全然違うもの。だって先輩こんなに可愛くなかった」



 可愛い?!!

 大沢はがつんと殴られたような衝撃を受けた。

 初めて言われる形容詞だ。

 そんな表現されたことは今まで一度もない!


「もう先輩の話はしないわ。私ももうあの時の私じゃないしね」

「え?」

「私はもうとっくに大人なのよ。大沢君」

「はぁ」


「寒くないの?裸だよ?」

 突然浅井が言い出した。

「……!誰が脱がしたんですか!って、浅井さんだってそれ……!」

 大沢が笑い出した。

 お互い体を離して落ち着いて見合うと、大沢は開いたパーカーとめくれたTシャツを着ているだけで、浅井はストッキングとショーツを片足の途中に引っ掛けていた。

「あなただって笑えないわよ!」

 浅井が笑って大沢にブルゾンとトランクスを渡した。

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