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JOY  作者: co
第10章・ショコラブラウンのジョイ
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 浅井は体のいくつかの痛みに耐えながら、胸元で大沢の頭を抱えていた。激しい呼吸のせいで熱い。

 じきに背中を抱く手に力が入ってきたので、痛いよ、と伝えた。


「だって浅井さん、これ、仕返しなんだろ?」

 涙声で大沢が言った。

「こんな目に遭わされて、俺、どうやって忘れたらいいんだよ」

 またきつく抱いてきた。

「痛いってば」

 浅井は大沢の短い髪をぐしゃぐしゃと撫でた。

「私を、忘れるの?いいよ、それでも」

 そして大沢の頭に口をつけた。


「今度は私がしつこく追い回すわ」


 ぐいっと大沢が浅井の体を自分から離した。


「……本当?」


 浅井はまた痛みを堪えて頷く。

 するとまた大沢にきつく抱きしめられた。


「嘘みたいだ……」

 大沢は泣いていた。


「痛いってば!」

 浅井は笑っていた。

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