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JOY  作者: co
第6章・ピンクの球
64/130

10

 栗尾の風呂が長い。

 俺のピッチが速いのか。

 大沢はもう冷蔵庫のビール5缶飲み干していた。


 やはり、いらいらしていた。

 何をしているんだ俺は。


 ホテルの高層階からの夜景。

 下々の織り成す灯りをバックに、このでかいベッドで栗尾を抱くのか。

 贅沢な話だな。


 贅沢か?


 なんだ贅沢って。


 大沢は6本目を開けて、また夜景を見下ろす。


 こんな高い場所でこんなでかいベッドで他の女を抱くことが贅沢なら、


 大沢が窓をトントンと人差し指で突いた。


 あのあたりに住む女をあのあたりで抱くことなんか、どうってことないんじゃないか?


 ふふ、と笑って、大沢はビールを飲み干し空き缶をゴミ箱に放り投げた。

 そして一度大きく息を吐いてから、脱いでベッドに放ったブルゾンを取った。


 こんな贅沢、いるか。


 俺は浅井さんを抱きたい。


 ここで栗尾を抱くくらいなら、浅井さんを抱きたい。




 酔ってるくせに、部屋を出て大沢は走り出し、エレベーターを降りてホテルの出口でタクシーに乗り込んだ。


 浅井の部屋の住所も、間違わなかった。


 タクシーの中で、無視していた携帯が二度目に鳴った時に電源を切った。

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