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JOY  作者: co
第5章・ライムグリーンの悪魔
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 駐車場の車の枠内にバイクを止め、エンジンを切ってサイドスタンドを出した。

 明るい日中に間近で見ると、巨大なバイクだ。

 乗っているバーテンも巨大だ。

 ヘルメットを脱いでグローブも脱いだ後に、浅井と目が合った。

 バーテンも先週末の客を覚えていたようで、軽く会釈をした。


 あら。覚えててくれたんだ。じゃ、もしかしたら今君島君が来たら案外助け舟を出してくれたり?

 ……しないよねぇ。

 と、浅井も軽く会釈を返した。


 それにしても遅い。

 と浅井がきょろきょろと視線を動かした。

 来るんだろうか。来るよね。

 君島君が、来るって言ったんだから。

 来るよね、君島君。

 浅井はじりじりと待っている。



 バーテンもぐるりと駐車場を見回した。

 二周見回してから、もう一度浅井を向いた。

 じりじりしながらも、視線に気付いて浅井もバーテンを見上げた。


 それから、バーテンが浅井に訊いた。





「浅井さんという方、ご存知ないですか?」





 浅井は少し口を開けて、硬直した。

 返事がないのでバーテンが首を傾げて

「すいません。俺も顔知らないので……」

 と、首の後ろを掻いた。

 あ、もしかしたらバーに何か忘れ物でもした?私の名前入りのものを?

 とにかく慌てて名乗った。


「私です。浅井です。あの、何か、」


 今度はバーテンが硬直した。

 え?何?と浅井も硬直に付き合った。


 そしてバーテンは少し眉をひそめて、ブルゾンの内ポケットから袋を取り出した。




「君島から本預かって来ました。

 あなたにお返しすればいいんですね?」




 バーテンは、文庫本を差し出した。



 浅井はまた口を開けて硬直した。

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