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JOY  作者: co
第4章・枯葉の公園
42/130

11

 翌日浅井は一日中家にいた。

 誰にも電話をしなかった。誰からも電話は来なかった。

 大沢からも君島からも、連絡はなかった。


 一晩寝て起きて考えても、大沢が悪いとしか思えない。

 そして君島を傷つけた罪悪感が募る。

 自分と大沢で君島を傷つけた。

 君島は昨日、それでなくても充分傷付いていたというのに。


 明日は謝ろう。

 精一杯謝ろう。

 許してもらえるまで謝ろう。





 大沢も一日中家にいた。

 飲まず食わずで。

 ベッドの上で呻きながら、丸一日後悔していた。

 何もかも後悔していた。

 どこから後悔していいのかわからないぐらい後悔していた。


 あんな醜態を晒したことも初めてだった。

 肉体労働をしていることもあり、自分の体力には自信があった。

 体も大きい方だ。

 けんかで負けたこともないし、そうけんかを仕掛けられることもなかった。


 それをあんな、女みたいに小さいやつにあっさり。

 浅井の前で。田村の前で。


 ここに来るまでの車中で田村は無言だった。

 別れの挨拶も一言だった。

 つまり


 月曜日には知られ渡っているだろう。

 浅井と大沢のことを知る者全てに。

 分ってはいたが、口止めはしなかった。

 しても無駄だからだ。

 口止めした、ということも知られ渡るのがオチだ。


 どこから後悔するって、

 あの日チビにナンパされた浅井さんに会ったところからだ。


 キューピッドなんてとんでもない。

 あいつが疫病神だったんだ。


 キャメルのコートを着た、悪魔だ。




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