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JOY  作者: co
第13章・アイボリーの母
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 そんなの親じゃないよ!という君島の言葉を心の真ん中に置いて、母の暴言を聞いていた。


「でもこんなに若い人に、うちの娘が……。それだけでもう、お恥ずかしい」

 浅井は目を閉じて俯いた。

「いや、あの、そうじゃなくて、」

 近くからそんな声が聞こえた。


「俺が、俺の方がずっと浅井さんを、いや、浅井さんに、いや、浅井さんを好きで、」


 浅井が大沢を振り向いた。


「刺されたことも浅井さんには全然責任はないし、むしろ俺にあるのかも知れないし」


 大沢はずっと浅井の母を見て訴えていた。


「だけど俺は、今二人とも助かったってことだけでも満足してます」



 浅井は、胸がじわりと暖かくなるのを感じた。

 自分が最初に安堵した気持ちと同じだ。

 大沢君に助けてもらった。

 その大沢君も助かった。

 あの時と違う、その一点。

 この気持ちは先輩にもらったものだ。



「そうね。それは確かに、そうですね」

 浅井の母が静かに答えた。

「命があるのがなによりですね」



 浅井は、心の底から驚いた。

 母も先輩の時のことを言っている。

 母はあの時先輩を罵った。

 それを10年で反省したのだろうか。

 あの言葉を悔いたのだろうか。



「そう言っていただけると私の方もありがたいです。だからと言って許されるとは思っておりませんが」

 佐々木社長が頭を下げた。

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