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JOY  作者: co
第13章・アイボリーの母
122/130

「それから、唐木部長に聞いたが、浅井さん会社辞めたいそうだが」

 浅井が佐々木社長を見上げた。

「え?辞める?」

 大沢と田村社長が声を合わせた。

「それももしや、姪が関わっているのかね?そうならもうこれ以上姪を会社に置いておくつもりはないから戻ってもらえないかね?」

「いえ、その、」

 理由はそれだけではないのだけれど

「浅井さんが事務所にいないとなると、無理だぞお前の会社。そういやその部長?唐木?俺のところに電話があって、オオサワのような社員を雇ってるような会社には今後仕事は出しませんっ!とか言ってたぞ」

 田村社長の言葉に、え……!と浅井が口を押さえた。

「いや、その、ありえないんだ。浅井さん。唐木君も……。真面目なんだが小心者で……」

 顔を顰めた佐々木社長に田村社長がすぐさま反論した。

「小心者が大沢の安否もわからないうちに俺を怒鳴りつけるか?」

「小心者だからだよ。勘弁してやれよ」

「うん。やれるもんならやってみろよこのやろう!って言っておいた」

「お前は子供か……」

「ああ、俺よりも子供の加藤もこっちにくるぞ。仕事終わり次第。あいつ浅井さんのファンだからな。お前二三発殴られるかもよ」

 田村社長が言った。

 加藤……?

「加藤って加藤社長ですか?」

 大沢が訊いた。


「うん。元々は俺ら三人で立ち上げた会社なんだよ。で、本体を佐々木に任せて俺と加藤は外注で楽してるんだけどな。ただ腕っ節は俺と加藤の方が強いだろうな」

「だからお前のジョークはブラックだって」

「ジョークじゃないよ。加藤は来るって。あそこの若いのも相当なもんだしな」


 加藤社長と聞くだけで、浅井は少し笑ってしまう。

 いつでも結局私のゴリ押しを呑んでくれて助けてくれた社長。

 そうだったのか。

 この会社の創業者の一人だったのか。


「浅井さん。私が加藤に殴られるので、辞職は考え直してください」

 佐々木社長に言われて、浅井は笑ってしまった。

 しかしそれが、そのまま凍った。



 ノックをしてドアを開け、浅井の母が現れた。

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