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JOY  作者: co
第12章・アッシュグレイの鬼
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 浅井はしゃがんだまま、首が痛くなるような角度でバーテンを見上げた。

「……いない?」

「はい」


「……いいなぁ」


 浅井の言葉に、バーテンが吹き出した。

「そう言われるのは初めてです」


「あ、ごめん。そうか、ごめんなさい」

 浅井が慌てて立ち上がり謝った。



「いや、構わないです。同情されるよりはずっとマシですから」



 胸の中でなにかがピンと弾けた気がした。


「そう、同情されるより」

 そう。私もそんな気持ちを目一杯張ってたことがあった。


 背筋が伸びるような気がした。


 この子も戦っているんだった。

 何やってるんだ自分。

 今、泣き言を言おうとしていた。

 さっきまで愚痴めいたこと言ってないだろうか?


 それが一番恥ずかしいことだ。

 私は、それ以外に恥ずかしいことなんか何もしていない。


 地獄になんか堕ちるものか。

 まだまだ戦うんだ。

 私は戦える。

 今までだって戦ってきたんだから。


 地獄に堕ちるくらいなら一人で戦ってやる。


 さっき弾けた何かに心を熱せられた。

 そして自分に戻った。


 ではさっきまで、心が凍っていたのか。

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