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JOY  作者: co
第11章・錆色の狂気
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 また白い天井。

 ベージュのカーテン。

 あの時の夢だろうか。


 浅井が病室で目を開けた。


 メガネをかけていないので、ぼやけた色しか見えない。

 しかし悪夢で何度となく見ている色と同じだ。


 体を起こして周りを見回し、手を伸ばしてメガネを探した。

 ザッという音がしてからしばらくして、手にメガネが渡された。

 ありがとうございます、と言ってメガネをかけ顔を上げると、スーツを着た男女が立っていた。


「県警の佐藤と鈴木です。お話伺ってよろしい?」

 女性が訊いてきた。


 あの時の夢じゃないようだ。あの時は男性警官二人だった。

 しかし訊かれることはあまり違わない。

 名前、年齢、住所、職業。ばかみたいな質問だ。


「それで、何があったかあなたの口から聞かせてくれる?」

 言葉が馴れ馴れしく高圧的だ。

 以前の男性警官は、明らかに小娘の自分に対して始終敬語だった。

 女性の方が怖いのだな、と浅井はぼんやり感じている。


「聞こえてます?何があったか、覚えてますよね?」


 何があった?


 一瞬紗が掛かったような事務所の様子が頭に浮かんだ。


 砂利を踏む音

 被さってきた重いもの

 床に広がる黒い染み


「……大沢君」


「そうそう、そのことね」

「大沢君は、容態はどうなんですか?」

「手術も終わって、命に別状はないそうよ。よかったわね」


 はぁ……と浅井は心臓を押さえた。


「そのことを訊きたいのよ?こっちは」

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