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JOY  作者: co
第11章・錆色の狂気
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 ホテルですっぽかされ、探偵に探らせれば大沢は浅井の部屋の前で何時間も座り込んでいたという。

 栗尾のプライドは大きく傷ついた。

 何日も同じ状態だったと言う。

 傷ついたプライドが深く抉れた。

 そして、とうとう浅井の部屋に大沢が入っていったと言う。


 抉れた傷に、狂気が沁みていった。


 ホテルですっぽかされたなんて、嘘。

 嘘。

 嘘。

 だって私今まで、クリスマス一人だったことなんかないのよ?

 狙った男を一度も外したことなんかないのよ?

 だいたい、今までこんなに準備したこともないんだから。

 食事もお酒もホテルも。

 食事もお酒もホテルも、行ったわ。

 全部予定通りだったわ。


 全部予定通りだった。 

 予定通りだった。


 でもクリスマスは、決めてない。


 どうして?


 だって、ちょっと困ったことが発覚したのよね。


 今月、遅れてるの。


 どうしてって、大沢君に訊いて。


 そういうことなの!


 どうしよう。パパとママに何て言おう。

 でも多分祝福してくれると思うの。

 だって私が幸せなんだもの。

 祝福してくれないなら、駆け落ちするわ。

 お腹の子と三人で幸せに暮らすの。


 それなのにあの人は、こういう体の私を避けて、他の女の元に行ってる。

 今が一番大事な時期なのに、こんな思いをさせられるなんて。

 でも大沢君が悪いんじゃない。


 悪いのは、あのおばさん。

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