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改行
改行
一言だって構わない
貴方からの私だけ
お決まりの挨拶だって
改行ひとつで特別な言葉
染まる頬
貴方には見えないから
私はそこだけ本音を出すの
近づけない距離じゃない
繋がるのは視線でも赤い糸でもなく
初めての一通
「おはよう」から「おやすみ」まで
話したことはたわいもない
その向こうでどんな顔をしているのか
見てみたいけど自信がない
困った顔が瞼に浮かぶ
一言ずつ並んだ長い一文
改行の余白から貴方を覗く
「送信」の都度後悔
愛想程度の一言で
改行すら使われない
貴方が見ない私の顔
暗い画面に映ってる




