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黒板とチョーク
独りきりの暗い教室
チョークの跡
細い線で描かれたハートマーク
君のなにかに触れたくて
なぞるアーチに舞い落ちる白い粉
瞼に残る
君の背中
少女のように無邪気な横顔
気づかれないよう見とれてた
惹かれたのは嘘じゃない
緩いアーチは君への想い
交わした言葉はたわいもない
下手な演出
見透かされるね
じれったさが不安広げてく
少女のような笑顔の裏
本当の君はどうしてる?
告げた言葉は嘘じゃない
君が残した黒板の文字
掴めない君の気持ち
独り残った暗い教室
雨降る日の湿ったチョーク
音を発てて崩れ散る
もう戻らない白い粉




