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春かぜ
春かぜ
春の空に舞う花びら
ふわりと髪なぞう
貴方の姿を瞳に焼いて
私は背を向け歩きだす
交わす言葉は最後までないから
見えないようにそっと手を振ります
一つ前の春から始まった恋の予感
気づく頃はもう遅い
貴方の隣はあの子のもの
気づかれないよう
伏せ見がちな私の視線
かいくぐる貴方は盲目
春かぜに舞う花びら
冷たく頬撫でる
貴方の姿が瞼に浮かんで
私は背を向けたまま立ち止まる
交わる瞳はもうないから
振り返りそっと涙を払う
最低な願い
よぎる心に傷広げる
吹く風よ
私をさらって
ふわり舞い散るこの想い




