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アマオトコエ
雨降る夜に浮き立つベルの音
君の声がテープに巻き取られていくのを
僕はただ独りで見てました
手を伸ばせば届く距離
でもそれができないから
僕はひたすら耳を塞ぎ
雨音にすがりました
ドアの向こうのヒールの音
不意に立ち止まり静かになる
ひと時の静寂がその存在をしらしめる
止まないアマオト
廊下に響くコエ
テープをちぎり
耳を塞ぐ
五月雨のように絶え間無い
無駄な喘ぎだと知りつつも
独り謳う(うたう)
どうか気づいたなら
どうか傷ついたなら
僕は雨音を捨てられる
アマオトコエを捨てられる




