プロローグ 正義って、何?
あの日、何もかもを失った彼等に愛と敬意を。何もかもを奪い取っていった敵に死という名の救済を。人を愛し、護れ。これ以上悲劇など見させるものか。褪せることのない過去に戻ることは出来ないけれど、繰り返さないことは出来ると信じて彼らは進む。例えそれが“普通”から外れている行為だとしても。
戦場、復讐、怪我…この言葉を聞いた時、普通の人はどう思うだろうか。怖い、そんなことしてはいけない、血を流すなんて到底普通じゃない。正義を貫くなら対話で示せ…こんな風に思う人も多いだろう。だが、俺の組織は、チームは、居場所は違う。先の言葉は、人員が生きていく限り組織を縛り人を繋ぎとめる、ある種生命線となる。これ以上誰も死なせたくない、皆を護りたい。だから命がけで舞うのだ、戦場という名の舞台で。
正義の反対が悪などといった言葉、それは誰が決めた?無意識のうちに繋がれている鎖を、呪いを解き放て。俺たちが先駆者となり、守護者となるから。東国政府警察局異能犯罪対策本部324人の内、神食人抵抗殲滅特務一課と異能捜査特務一課にいる精鋭らが道を開く。変わりたければ付いてくるといい、全力で護り敵に抗うと誓おう。血を血で洗い、一つしかない生命を戦闘に懸け、現場に行かないと規模の分からない攻撃と生死、本能的な恐怖に胸中で怯える。それでも人が生きていくために恐怖を押し殺し、打ち勝ち、国を護り続けていく。それが俺たちの使命であり任務だ。怪我の苦痛、元人間を正義と平和の名のもとにこの手で殺してしまう現状、敵に相対した際に感じる本能的な恐怖、それら全てを押し殺して、我らは喜怒哀楽全ての感情を出す。本音でぶつかり、より絆を深めていく。これこそが真に我らの生にとって道標になるであろうから。
これは、精鋭たちが日常を送り、神を討ち滅ぼした英雄として後世に逸話が残り続けるまでのお話。




