プロローグ 正義って、何?
あの日、何もかもを失った彼等に愛と敬意を。何もかもを奪い取っていった敵に死という名の救済を。人を愛し、護れ。これ以上悲劇など見させるものか。褪せることのない過去に戻ることは出来ないけれど、繰り返さないことは出来ると信じて彼らは進む。例えそれが“普通”から外れている行為だとしても。
戦場、復讐、怪我…この言葉を聞いた時、普通の人はどう思うだろうか。怖い、そんなことしてはいけない、血を流すなんて到底普通じゃない。正義を貫くなら対話で示せ…こんな風に思う人も多いだろう。だが、俺の組織は、チームは違う。先の3つの言葉は、人員が生きていく限り組織を縛り人を繋ぎとめるある種生命線となる。これ以上誰も死なせたくない、皆を護りたい。だから命がけで舞うのだ。赤い雫が踊り舞い、敵が上げる悲鳴が賛美歌となる、戦場という名の舞台で。
正義の反対が悪などといった言葉、それは誰が決めた?無意識のうちに繋がれている鎖を、呪いを解き放て。俺たちが先駆者となり、守護者となるから。東国政府警察局異能犯罪対策本部324人の内、各1課にいる精鋭ら51人が道を開く。変わりたければ付いてくるといい、全力で護り敵に抗うと誓おう。