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第35話 揚げたてポテトはいかがですか?

いいねとかたくさん来てて嬉しいです!応援よろしくお願いします!

「あ、そう言えばボク、あの人見たことあるかも」

「え?」


 視線の先にいるナイスミドルのポイ捨てをどう懲らしめてあげようかを考えていると、藤宮さんがそんな事を言ってきた。


「うん。お父さんの会社の人だと思う。見たことあるし、ボクの家にも来たことあるもん。ものすっごいボクの胸見てた」

「どんな人?」

「知りたい? ボクの胸見られたから嫉妬しちゃった?」

「知りたい。嫉妬してないよ」

「もう! 照れちゃってぇ〜! なら……なにかご褒美が欲しいなぁ〜?」

「照れてないんだけどなぁ」


 ご褒美ね。何かあったかな? えっと……あ、そういえば喋りすぎた時用に昨日用意したのど飴がポケットに入ってるじゃん。これでいっか。どうせならあの声で渡してあげようかな。情報が貰えるのはありがたいからね。日高さんにも似てるって言われたし。


『ほらよ、今日のログインボーナスだ』


 こんな感じで良かったかな? ゲームやった事ないからわかんないんだよね。だから兄ちゃんの喋り方で言ってみたんだけど──。


「「「怜央きゅんのログインボーナスキタ━━━━!!」」」


 いや、うるさいよ。声大きすぎだよ。これは失敗したなぁ。もう絶対言わない様にしよう。最近騒がないし、僕の事を好きとか言ってるからてっきり玲央きゅん熱は下がったのかと思ったのに。

 まったく、僕と怜央きゅんのどっちが好きなんだろうね? 出来れば怜央きゅんであって欲しいけどさ。

 ……ちょっと待って? 今更だけど、確か彩音さんもこの前怜央きゅんグッズ持ってたよね? ってことはつまり彩音さんも怜央きゅん推し。つまり僕のこの声は武器になる!?

 よし、そうと決まったら作戦を考えよう。通りすぎる時とかに隣でボソッと呟く乙女ゲーのイケメンキャラをやってみよう。そうすればいつもの睨む視線が柔らかくなるかもしれない。よし、そうと決まれば今日は帰ってすぐにゲームをダウンロードしてセリフを覚えよう。きっと吐き気や目眩と戦うことになりそうだけど、恋の為に乗り越えよう。


「れ、れ、怜央きゅんからのリアル飴! ボク、これ真空パックして永久保存する!」

「ちょっと伊月ズルいわよ! 私も欲しい! 言い値で払うわ!」

「な、奈央も! お姉ちゃんのカードで好きなの買っていい!」


 まだ騒いでたの? 欲しいならあげるから二人ともそんなに大金出そうとしないで。10粒で98円のなんだから。それよりもさ? そんなに大きな声で騒いでると……


「ん? なんだ?」


 あーほら。気付かれちゃったじゃんか。


「なんだ? ってこの制服アイツの……ねぇ君達、和野香里奈って先生は知ってるかな?」


 このシチュエーションで聞くと胡散臭いセリフナンバーワンをまさか聞くなんて……。

 とりあえず面識があるらしい藤宮さんは僕の後ろに隠れてもらおう。


「はい知ってます。僕の担任ですから」

「そうなんだ。じゃあ聞きたいことがあるんだけど……いいかな?」

「なんですか?」

「香里奈ってさ、彼氏いるとか聞いたことある?」

「ないですね。なんでですか?」

「いや、無いならいいんだよ。ゴメンね? 変なこと聞いて」

「いえ」


 彼氏がいるかどうかを聞いたってことは、和野先生の近況をちゃんと把握していない? それなら──


「あ、でも」

「っ! なんだい?」

「気になる人はいるみたいです。独り言で名前を呟いてるのを聞きました」

「それ、なんて言ってたんだい?」

「すいません。知らない人にそれを言うのはちょっと」

「あぁ、そうだよね! 僕の名前は武田たけだ謙信けんしん。実は香里奈の元カレなんだよね。恥ずかしながらヨリを戻せないかなって思ってさ。ははは」


 凄い名前。一人川中島かな? 右手から左手に塩を移動させてHAHAHA! って遊んでるのかな?


「元カレ……なんですか? 信玄さんは」

「信玄じゃなくて謙信ね。うん、そうなんだよ。それでさっきの香里奈が呟いてた名前って誰かな?」

「知ってどうするんですか?」

「それはもちろん──その人に負けないようにがんばるだけさ」


 はい白々しい。塩より白々しいよ。だけどその白々しさに免じて教えてあげるね。


「獅虎怜央です」

「「「!?」」」


 ほら、三人とも反応しないの。嘘なんだから。


「えっと……なんだって?」

「獅虎怜央ですよ?」

「す、すごい名前だね……」


 凄い名前ですよねー。けど人気なんですよー。不思議ですよねー。


「ちなみに金髪らしいです。いつも白や青や黄色の色鮮やかな服を着てるみたいですよ。倒産した飴屋の息子らしいでさ」

「アイツ……そんな男の趣味だったか?」

「え?」

「い、いや、なんでもないよ。ありがとう。それじゃ」


 そう言って男は車に乗って走り去って行った。ポイ捨てした吸い殻はそのまま地面に落ちている。


「すぐそこに灰皿あるんだから捨てていけばいいのに」


 僕はそれを拾って吸殻にポイッ。


「ねぇ拓真? なんであそこで怜央きゅんの名前出したの? 怜央きゅんはみんなの心の中にいて、この辺にはいないのよ?」


 この辺じゃなくてどこにもいないから。

 そしてその名前を出した理由は、


「ん? ちょっとね」


 教えないけどね。


「んんっ! なにか企んでる様な顔が可愛いっ!」

「んんっ! 口元に人差し指当ててほしいっ!」

「んんっ! ちょっとだけ舌ペロしてほしいっ!」

「「わかる!」」


 ……………さて、コンビニ入ろっと。



「いらっしゃいませ〜。揚げたてのポテトは如何ですか〜?」

「あ、それ一つ」

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