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第10話 自撮り写真

 結論から言うと、家には兄ちゃんはいなかった。


「あ、弟くんおかえり〜」


 だけど兄ちゃんの彼女の日高さんはいた。

 これはもしかしてラブコメでよくある、【兄よりも弟にときめいてエッチなアタックしてくる兄の彼女】的な展開なのかな? 困るよ。僕は歳上はちょっと。和野先生みたいな人いるからね。


「あれ? どうしたんですか? 兄ちゃんは帰ったんですよね?」

「ん? ちょっとカズくんのお母さんと話が盛り上がっちゃってね。あと、弟くんに用があったの」


 ほらね。やっぱり。


「なんですか?」

「今度弟くんの学校に私の妹が転校するんだけど、人見知りだから仲良くしてほしいなーって思って」


 あーなるほど。そっち。


「仲良くするのはいいんですけど、僕、友達いませんよ?」

「大丈夫よ。妹も友達いないから」


 何が大丈夫なのかはわからないけど、日高さんの妹ならきっと可愛いんだろうな。役得役得。


「ちょっと変な子だけど嫌いにならないでね?」


 一気に不安になってきた。ただでさえ最近の僕の周りは変な女の子がいるのに。


「あ、ちょうどマネージャーが迎えに来たみたい。私行くね。カズくんの服はやく洗濯して干さないと明日までに乾かないし。そうそう!妹なんだけど来週連れて来てもいいかな?」

「いいですよ。というか兄ちゃんの服を洗濯?」

「うん? カズくんから聞いてないの? 実はちょっと前から同棲してるの。今の仕事が一段落したら結婚する予定だから、そしたらお姉ちゃんって呼んでね?」


 え? なにそれ。痩せてイケメンになった兄ちゃんが人気声優と結婚してその声優が僕の義姉になるってこと? 兄ちゃん大好き兄ちゃん最高。


「わかりました。お姉ちゃん」

「も、もぉ〜! その呼び方はまだ早いんだってばぁ! でも嬉しい! えへへ〜」


 前言撤回。こんな可愛くて声も可愛い人と結婚するんなんて羨ましすぎる。兄ちゃん大嫌い兄ちゃん最低。


「じゃあ行くね」

「はい」


 軽く僕の頭を撫でてから玄関を出ていく日高さん。

 それを見送ってから自分の部屋に行く。


「さてと」


 はい、それではまずスマホを取り出します。

 画面に出ている文字は【未読メッセージ22件】です。

 最後の受信時間は15分前。時計を見ると、現在18時27分。

 送信元の和野先生は車通勤だし、独身だから今頃はきっと運転中か買い物をしていてスマホは見ていないはず。……今しかない!


 僕は自分が出せる最高の速度でメッセージ画面を開く。なるべく既読は付けたくないけど、未読状態があるのが嫌なタイプだからしょうがない。

 そして送られてきたメッセージとくい込みの激しいスク水を着た写真を見て、目眩を覚えながらもそれらを削除していく。

 よし、このペースなら間に合う。僕が既読を付けたことに気付かれる前にメッセージ画面を閉じれる。


 ポコン


 あ……。


『やっと私のスク水姿見てくれた。既読付くまでずっと駐車場の車の中でスマホ充電しながら見てたんだよね。ねぇどうかな? ドキドキした? 興奮した? 熱膨張した? 先生はね? もうサイフォン状態よ』


 怖い。怖すぎる。暗い車内でずっとスマホを見つめてた所を想像するだけで怖いのに、何言ってるのかわからないのが一番怖い。

 だけど今一番の問題は、このメッセージにも既読が付いてしまったということ。


『返事まだかなー?』

『まだ車の中で待ってるよ?』

『先生だからって遠慮しなくてもいいからね?』

『して欲しいことあったら何でも言って』

『ちなみに今日の下着はこーゆーのつけてるよ?』


 そして送られてきたのは、カットソーの胸元を引っ張った状態で上から撮られた写真。

 スマホのライトに照らされた谷間と黒のレースの微妙に透けているブラが映っている。


 くっ……なんてことだ。悔しいけどそのアングルはズルいよ先生。思わず保存しちゃったよ。


『こんなのもあるよ?』


 そして次に送られてきたのは、自室らしき場所で四つん這いになりながら自撮りをしている写真。

 パジャマのボタンが一つ外れていて胸元が開き、重力で下を向いている胸が見える。しかし先端は見えない。


 もしかして和野先生は僕が前屈みになった時にできる首元の隙間が好きなのを知っている? だからこんな写真を送ってくるんじゃないか?


 こ、こんな写真で僕の心は揺さぶられないぞ! あの化学準備室でいただきますされそうになったのは忘れてないんだ!


 ポコン


『年甲斐もなくこんな髪型にもしてみちゃったりして。少し恥ずかしいな』


 そして届いた写真には、さっきのパジャマのままでベッドにペタンと座っている和野先生の姿。


 ツインテールで!


『とても可愛いと思います』


 あ、しまった。


『か、可愛い!? え、ほんとに!? やったぁぁ〜♪ 赤坂君全然返事くれないから無視されてると思ってたのに可愛いって言ってくれるなんて……ほんと好き……』


 やってしまった。

 いや、僕は悪くない。ツインテールが可愛いのが悪いんだ。


 明日、学校行きたくないなぁ……。



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