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やくもあやかし物語  作者: 大橋むつお
145/161

145『日曜の朝 突然のひとりぼっち』

やくもあやかし物語


145『日曜の朝 突然のひとりぼっち』






 目が覚めると、ちょこっとだけ体に力が入る。



 起きて学校に行かなきゃと思うんだ。


 あ


 そうだ、今日は日曜日……とたんに、少しだけ入れた力が抜ける。


 目玉を動かして机の上を見る。


 1/12サイズの六畳の上にはコタツがあって、御息所の脚が覗いている。


 いつもだったら、チカコと二人で首だけ出して寝てるんだけどね。


 チカコがいないもんだから、御息所は悶々として、まるでコタツ被ったみたいにして寝てる。


 


 オズの魔法使いにあったよね、こういうの。




 ドロシーが、竜巻に巻き込まれて家ごと吹き飛ばされて、ドスンと落ちたら、それが悪い魔法使いの真上。


「キャ、どうしよう、人を押しつぶしてしまった!」


 ところが、マンチキンの住人やら南の魔女のブリンダとかがやってきて教えてくれる。


「それは、みんなが困っていた西の悪い魔女ですよ。ドロシーがやっつけてくれたんでみんな喜んでるわ」


 それで、今度は東の悪い魔女をやっつけに行くってドラマが始まる


 そのとき、ドロシーの家に押しつぶされた西の悪い魔女みたいだ。




「だれが、魔女だってぇ?」




 御息所がぶちゃむくれの首を出して文句を言う。


「寝れなかったんだね」


「フン、お前こそ……」


 そう言うと、完全にコタツの中に潜ってしまった。


 

 コタツの向こうには、チカコが依り代にしていた『妹が憎たらしいのには訳がある』の幸子。


 命の灯が消えて、ほんとうにただのフィギュアに戻っている。




 プルルルル




 黒電話が鳴って、ビックリして受話器を取る。


「もしもし……」


『交換手です、やくもさん、お城の方に来ませんか?』


 そうだ、部屋の中の仲間は、みんな神保城に行ってるんだ。交換手さんも紺の制服で実体化していたんだ。


「うん、すぐに行く!」


 電話を切るとコタツを持ち上げて、本格的に御息所を起こす。


 あれ?


 御息所の姿が無い。


 ウ~~ン(*≧m≦*)


 コタツをひっくり返すと、コタツの脚に両手両足を突っ張らかして御息所が貼り付いている。


「お城に行くよ」


「わらわは、行かぬ」


「勝手にしなさい!」


 ドスン


 乱暴にコタツを置くと、メイデン勲章改・Ⅱを取り出す。




 ジィーーーーーーーーーーーーー




 あれ?


 いくら見つめても、お城に行ける兆しがない。


 なんで?




 ジッィーーーーーーーーーーーーー!




 穴のあくほど睨んでもダメだ。




「ねえ、ちょっと!」


 コタツの御息所に声を掛ける。


 え……?


 気配がしないので、もう一度コタツを持ち上げる。


 コタツの敷布団にも、ひっくり返したコタツの裏側にも、御息所の姿が無い。




 え……どうしよう……




 部屋のグッズたちは、みんな神保城の方に行ってしまってるよ。


 部屋は、まるで越してきた時みたいに寂しくなってしまった。




☆ 主な登場人物


やくも       一丁目に越してきて三丁目の学校に通う中学二年生

お母さん      やくもとは血の繋がりは無い 陽子

お爺ちゃん     やくもともお母さんとも血の繋がりは無い 昭介

お婆ちゃん     やくもともお母さんとも血の繋がりは無い

教頭先生

小出先生      図書部の先生

杉野君        図書委員仲間 やくものことが好き

小桜さん       図書委員仲間

あやかしたち    交換手さん メイドお化け ペコリお化け えりかちゃん 四毛猫 愛さん(愛の銅像) 染井さん(校門脇の桜) お守り石 光ファイバーのお化け 土の道のお化け 満開梅 春一番お化け 二丁目断層 親子チカコ 俊徳丸 鬼の孫の手 六畳の御息所 里見八犬伝 滝夜叉姫 将門 アカアオメイド アキバ子 青龍 メイド王


 

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