七行詩 781.~790.
月曜の投稿予約忘れてしまっていました…!すみません(T-T)
『七行詩』
781.
今までたくさんの人に出会い
これからは もっとたくさんの人に
出会ってゆくのかもしれない
抱えきれない財宝の中に この身を預けましょう
素敵が世界に溢れる中で 数々の苦悩に溺れる中で
私は貴方を 見失わない
私は私を 見失わない
782.
町明かりは 抜け出せぬ日常の象徴なのに
ほろ酔い 揺らめく視界の中では
幻や夢を見せるようです
一人で歩いているはずなのに
あの日の貴方の声が聞こえる
腰を下ろし 夜空を見上げれば
月は半分隠れて こちらを覗いているようです
783.
あの日 何かが違っていれば
どこか別の世界では 貴方と居られたのでしょうか
それは分からないけれど
きっと今しかできないことがある
ならば私は 喜んで引き受け
見守るための 席を買いましょう
悩みとは 宝の在り処を示すものだから
784.
頑張ります、とばかり言って
頑張っています、とは まだまだ言えず
私はいつになれば そこに並ぶことができるでしょう
星が いくつ生まれても足りないほど
私の命が いくつあっても足りないほど
時間をかけて 遠く 遠く 離れた場所から
貴方の星の瞬きは ここまで届いているというのに
785.
時に 血が滲むことだってある
堪えていれば 私は時々
貴方と同じ笑顔を 浮かべているかもしれない
しかし 涙は幸せと同じだけ
かけがえのないものとなるでしょう
痛み 苦しみ またすぐに私の希望となり
私に必要な全てが 貴方により もたらされている
786.
花壇に水をやる姿を見て
庭の柵ごしに話しかけると
貴方は笑って 話してくれ
しかし 主人に呼ばれて 戻ってしまう
貴方の育てる花々も 貴方も
いつの日も美しいことだと
思いながら また見かける日を楽しみにしている
787.
なんと美しい夜でしょう
澄んだ冬空に 満月は
深い青に 浮かぶ雲たちを 染めるでしょう
深い紫に 星座の列を 並べるでしょう
私の待ち望んだ冬は
空が 夜が すぐ傍にいて
悩ましき熱を 鎮めるのです
788.
私は 貴方の力を信じています
ある予言をしてみせたとして
いつも私の期待を超えて
私を驚かせるのだから
その姿が 私を変えてゆく
誰にも魔法は使えない
自分が魔法にかかることで 背を押されてゆくのです
789.
貴方はいつも早足で
貴方が私を待つわけがない
互いに交わらぬ糸を持つ
交わらぬ糸が 私を導いてくれるのです
私はもう 何も望まない
我が子らと 深く味わった思い出だけは
何者にも どんな嵐にも 奪わせない
790.
待ち望んだ冬が来て
あの頃のよう 全てが元に戻りました
人は変わろうとしても 戻ってきてしまう場所がある
それがその人らしさであり 逆らえないこと
譲る気もなく それぞれの道に進むようで
私は貴方が歩いた道を 追いかけることができるから
私は恐れずに行けるのです