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お宝を守る魔物を討伐せよ!

 お宝を見つけて喜んだのもつかの間、その近くに恐竜のようなモンスターが数体いる事に気づいた俺たちは警戒をしていた。

 どうやらあいつ等が、依頼に書いてあった凶暴なモンスターとかいう奴なんだろう。今にも襲い掛かってきそうだ。


「こいつ等はコレクトラプトルっていうラプトルの亜種よ。宝石や結晶といった物を見つけるとそれを収集する癖があるわ」

「という事は、この部屋の中にあるお宝は全部そのコレクトラプトルって奴が集めた物なのか」

「そうよ。彼らには悪いけど、全員まとめて討伐するわ。それが今回の依頼だからね」


 クリムがそう言ったと同時に、コレクトラプトルが突然起き上がってきた。どうやら俺たちがいる事に気づいたようだ。

 コレクトラプトルは俺たちに向けて威嚇をしてくる。俺はそれに震え上がりそうになったが、今更ここで逃げる訳には行かない。依頼人の為にもこいつ等を全員倒さなければ。


「みんな、手分けしてこいつ等を討伐するわよ!準備は出来てるわね!?」

「私は出来てます!」

「いつでもオーケーよ!」

「ああ、俺も大丈夫だ!」


 俺たちは手分けして奴等を討伐する事にした。コレクトラプトルは全部で4匹。一人につき一匹倒す事になる訳だ。

 俺は一匹のコレクトラプトルに向かって剣を振りかざす。しかし、奴はそれをひらりとかわした。こいつ、なかなか素早いな。

 攻撃をかわしたコレクトラプトルは俺に向かって勢いよく体当たりをしてきた。突撃してくるスピードも結構早く、それに対応出来ずに壁まで吹っ飛ばされてしまう。


「ぐはっ!」


 くそっ、こんな奴に苦戦するなんて…。神の力を使えばこんな奴等なんか楽勝だろうが、そんな事をすればこの洞窟どころかお宝や仲間にも被害が出るかもしれない。ここは借り物の力を使わず、自分の力のみで倒すしかなさそうだ。

 コレクトラプトルは再び俺に向かって体当たりをしてくる。…だが、その攻撃は二度と既に見切った!俺は咄嗟に攻撃をかわす。コレクトラプトルはそのまま壁にぶつかり、ふらふらな状態になった。


「…よし、今だっ!」


 俺はその隙を逃さず、コレクトラプトルの胴体部分を思い切り振りかざす。剣をまともに食らった奴は断末魔を上げ、その場に倒れていった。

 コレクトラプトルはピクリとも動かない。どうやら奴を倒す事に成功したようだ。


(そうだ、他のみんなは!?)


 俺は三人がどうなったか確認するため後ろを振り返ると、もう一匹のコレクトラプトルが俺に向かって勢いよく突進してきた。

 突然の出来事で茫然としてしまう俺。やばい、このままではあいつに襲われてしまう…!


「ナオト君、危ないっ!」


 フリントの声が聞こえたその瞬間、コレクトラプトルはフリントの拳を食らって壁に勢いよく吹っ飛んでいった。フリントもあの魔物に負けず劣らずの素早さだな。俺もああいう感じに早く動けたらいいなぁ。


「何とか間に合ったわね。ナオト君、怪我はない?」

「あ、ああ。さっきあいつに吹っ飛ばされて背中を打ったけど、これくらいどうって事ないよ」


 周りを見ると、コレクトラプトルは全部地面に倒れていた。どうやら皆、全匹倒す事が出来たようだ。さて、後はこの部屋にあるお宝を出来るだけ持ち帰ろう。

 俺たちは事前に持ってきた袋を用意し、その中に宝石や結晶を入れる。袋がパンパンに膨らむ直前まで入れ、さっさとこの洞窟から脱出した。

 洞窟から抜け出すと、気持ちのいい外の空気と青空が俺たちを出迎える。前にも同じ事を思ったが、やはり外の空気は美味しい。…そう思ってると、俺の腹から音が鳴りだした。もう昼ご飯の時間か。


「なあ、一回どっかで休憩でも取らないか?俺、お腹空いちゃった」


 俺たちは見晴らしのいい場所に行って昼食を取る事にした。




 昼食を食べ終えると俺たちは再び歩き出し、町まで向かっていく。このまま何もトラブルが起こらなければ、今日の依頼は無事に終了となる訳だが…。


「あれ、あそこにいるのは誰だ?」


 ふと、目の前に男の人が三人いる事に気づいた。男の人たちは何かを待ち伏せしているようだが、そこで何をしているんだろう?

 まあ俺たちには関係ない事だろうし、このまま素通りしていくかと思い歩いていると…。


「よう、兄ちゃんたち!その袋に入ってるのは何だ?」


 一人の男が俺たちにそう聞いてきた。男の声は明らかにチンピラのような悪い声をしている。参ったな、変な奴等に絡まれてしまったようだ。


「この袋?さっき山に入った時に手に入れたお宝が入っているのよ」


 ク、クリム。正直に答えなくてもいいのに。男たちはクリムの発言を聞いてニヤニヤした表情になっていく。


「宝だって!?へへっ、俺たちも運がいいぜ!まさかこんな所で宝を持ってる奴等に出会うなんてなぁ」

「全くですね、兄貴!…というわけでガキども、俺たちに宝を全部よこしな!そうすりゃここを通してやってもいいぜ」


 この男たちは俺たちの持ってるお宝を欲しがっているらしい。

 …でも、そんなのお断りだ。せっかく苦労して手に入れたお宝をこんな悪そうな奴等に渡すもんか。


「駄目よ。これはあたしたちがとっても苦労して手に入れたお宝なの。そんなにお宝が欲しければ自分たちで探しに行きなさい」

「な、何だとぉ!?…このガキ、俺たちに逆らうとはいい度胸してんじゃねぇか。そこまで言うのなら仕方がない。お前たちをボコボコにしてでも奪っていくぜぇ!」

「「了解ですぜ、兄貴ぃ!」」


 三人組の男は怒り出し、一斉になって俺たちに襲いかかってきた。まったく、あんな奴等に向かってわざわざ挑発しなくてもいいのに。

 しかし、ここはどうやってこいつらを追い払えばいいんだ?相手は悪党とはいえ、さすがに人間相手に剣を振るう訳にはいかないし。どうすればいいのかと俺が悩んでいると…。


「う、うわあっ!?降ろしやがれ、こらっ!」

「「あ、兄貴ーっ!?」」


 声がした方を向くと、ナラが一人の男を上に持ち上げているという光景が目に入った。子分と思われる二人組の男は焦った顔で持ち上げられている男を見ている。

 はは、まさか男もあんな大人しそうな女の子に持ち上げられるなんて夢にも思っていなかっただろうな。


「いいわよナラ、そのままあいつを放り投げちゃって!」

「は、はいっ!――それえっ!」

「「「ぐ、ぐへぇぇぇ!!」」」


 ナラは持ち上げていた男を、二人組の男に向かって勢いよく放り投げる。二人組の男は、ナラが放り投げた男の下敷きになっていった。


「…あの、これに懲りたらもう私たちを襲おうとか考えないで下さいね」

「ひ、ひぃぃぃぃ!ごめんなさーいっ!」

「な、なんなんだこの女!?見た目の割になんて馬鹿力なんだぁ!」

「に、逃げろーっ!」


 三人組の男は一目散になって逃げだした。…多分あの男たち、一生消えないトラウマを抱えてしまっただろうな。俺はちょっとだけあの男たちが気の毒に感じた。


「この辺はたまにごろつきに出会う事があるけど、まさかここで出会うなんてね…。それにしてもよくやったわね、ナラちゃん!かっこよかったわよ!」

「は、はうぅ…。私なりに頑張ってみました。でも、やっぱり恥ずかしいです」

「さっきの大きな岩の時も思っていたけど、あんたが力持ちで本当によかったわ。さ、早く町に戻るわよ」


 今日はナラの怪力を存分思い知った日だったな。俺はナラが味方で本当によかったと思いつつ、町へと戻っていった。

 その後、手に入れたお宝を受付の人に渡して今回も無事に報酬を貰う事が出来たのであった。今日もお疲れ様、俺!

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