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小人達の努力。

作者: 設楽 夕

小さな小人達が列をつくって山道を登っていく。目指すは、頂上にある小人達が住んでいる家へと……。

けれど、歩いても歩いても、進んでいる気配がない。何故ならそれは進んでいる気になっているからだ。

足は短く。歩幅もそんなにない。だから進んでいる気がしない。

背中に背負っているのは、少しの食糧と水。ならこの険しい道をどのように歩んでいけばいいのだろう。

歩むにせよ、全然進んではいないのだ。小人達は自問自答をし始める。


「いつになったら、家族に会えるのだろう。」「こんな無謀な旅を始めるのではなかった。」


皆が希望なんて持てず、絶望し地面を見ていると、ぽつりぽつりと雨が降る。

何も考えず空を見上げ、途端にザァっと音を立て雨が本降りになる。小人達は、小さな水筒の蓋を外し、精一杯雨水を集める。そうするしかない。

自らのサイズを悔いてみても仕方がない。何故ならそう生まれてしまったからである。なら、恨んでいても仕方がない。そう一人の小人は決意をする。

雨水を集めた水筒に蓋をすると、各自重たい足持ち上げ葉っぱの下で雨宿りをする。


「この先どうしよう」


一人の小人が声に出した。皆顔を合わせ慌て始める。

それもそうだ、このボロボロな足でどれだけ、続くか分からない道もうまく進めない。

完全に心が砕けてしまう前まで来ている。


「慌てていても仕方がない。僕らには僕らの出来る事をするしかない。なら前を向いて皆で歩もうよ。」


一人の小人は皆に言う。

皆はその小人に向かって「勝手なことを言うな」「綺麗言」と罵声を浴びせる。

それでも小人はめげずに言う。


「ならずっとそこに立ち止まって、永遠に動かないつもりなの⁇」


そう小人は言った。皆は口を開かない。ただ、黙って俯いて地面を見ているだけ……。

暫く無言が続いた。そのうちに雨は少しずつ弱くなり雲の切れ間から太陽の光が現れる。


「そうだね。頑張って前に進もう。もう少しでつくかもしれない」


そう現れた太陽の光をみて、小人達は決意していく。

少しでも前へ、少しでも頑張れると再度胸に決め、ひたすら山道を歩いてく。


そうして毎日毎日歩いていく先に、やっと山の頂上に着く。

小人達は笑顔で言った。


「一緒に頑張ってくれて、ありがとう」


そうお互い笑みを浮かべながら、地面に横たわった。

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