夜空の月に 部屋のなかの小さな緑
夜空の月に
静かな夜に
ふと 窓を開けると
淡い朱色の三日月
美しく 穏やかに
つめたい空を灯す
一日の終わりをやさしく包み込んで
ゆっくりと眠りにつくために
ささやかに心を灯してくれる
それぞれの人生があり
それぞれの夜空がある
偶然とは思えない貴重な出会い
悲しみ 打ちひしがれ
喜びに満ち溢れ
どんな時でもそばにいてくれる人がいた
分かち合える人がいた
そして 空を見上げた
部屋の中の小さな緑
夕暮れの雨の中
いつもの雑貨店へ
小さな植木を手に入れる
小枝に細々とまばらな葉
根元にはこんもりと苔
薄茶色の鉢
花は咲くのだろうか
アンティークのテーブルに
和布を敷き 置き飾る
ゆったりと静寂の時が流れ
うるおいの豊かな緑が語りかけてくれる
そのままでいいんだと
自分らしく素直に自然な心で
穏やかに心を流れる静寂の緑