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第二十七話「算術の授業①」

 楽しんで頂けると幸いです。

 「シルフィード。残りの授業って何だっけ?」

 

 「残りは……確か、算術の授業だった筈よ」

 

 算術。つまり数学か。こっちにもあるのか……あるよなぁ……。正直面倒だが、仕方ない。

 

 「ありがとう。ちなみにシルフィードは算術はバッチリ?」

 

 「どうでしょうね……学校で出題されるレベルが分からないわ。一応習ってはいるのだけれど。まぁ、あまり得意な方では無いわね」

 

 ――ガラッ

 

 おっと、先生が入ってきた。眼鏡で背の高い、優男風の先生だ。

 

 「皆さん、こんにちは。算術の授業を受け持つ、シュバルト・レノという者です。よろしくお願いします」

 

 ――よろしくお願いします

 

 自己紹介も済み、授業が始まった。正直俺もシルフィードが言ったようにレベルが気になる。さて……

 

 「では、皆さんにまずはこれを配りますね」

 

 そう言って先生は一冊づつ本を配った。教科書だろう。

 

 「皆さんはそれを見て勉強することになりますので、大事にして下さいね。では、早速ですが一ページを開いて下さい」

 

 シュバルト・レノ先生がそう促し、皆がほぼ一斉に教科書を開いた。

 

 さて、俺も開こう。レベルを把握する為に一ページとは言わず、教科書の最後までざっと目を通しても良いだろう。

 

 ――ペラ

 ――ペラペラペラペラ

 

 「えっ……」

 

 言葉を失った。こんなのあまりに……

 

 ――難しくない!?

 

 ――最初の授業からこれ!?

 

 ――ヤバい……わからん……。

 

 口々にそんな声が聞こえてくる。そんな声も俺の驚きを増す材料となった。さらに追い討ちを掛けるように……。

 

 「これは……初めの授業でやる内容じゃないわね……。私は習っていたから出来るけど、他の人達は……」

 

 シルフィードからもそんな声が漏れていた。

 

 「マジか……」

 

 俺もシルフィードの反応を見て一言漏らしてしまった。

 

 ――パンッ!パンッ!

 

 ざわついている教室内に、手と手がぶつかり、空気が震える音が響いた。出どころは先生のようだ。

 

 「皆さん静かに。皆さんの言いたい事は分かります。レベルが合ってないと言いたいのでしょう」

 

 先生の話に皆が黙った。肯定、とも取れる沈黙だ。

 

 「授業のレベルを合わせていないのはわざとです。皆さんには教室内の友と教え合い、授業に追い付いて欲しいのです。そうして、親睦を深めて下さい。親睦を深め、交友関係を広めるのも授業の一環なんですよ」

 

 先生はそう言った。皆はそうだったのか。と納得しているようだ。だが、俺の驚きは消えない。だってこの問題はまるで……

 ちょっと、切り方が雑かもです。相変わらず良いように切れなくて困ってます……。

 次回もお楽しみに。

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