第二十三話「試験、不調、結果」
間違って完結にしちゃってました。すみません。次話投稿が見当たらないんでバグかなー?と思ってたんですがまさか完結にチェック入れてたとは……。
ポウッ
淡い光と共に火球が出現した。
成功だ。
「はい。桐山風人君、合格よ。出来てない子に教えてあげるか、やることが無ければ覚えたてで色々やりたいでしょうから試していてもいいわよ。障壁魔法を張ってるから誰かが怪我したり何かが壊れることは無いわ」
「分かりました! ありがとうございます」
礼をし、先生の元を後にした。色々試すのは後にして、出来てない奴にさっきのことを教えるか。俺も助けてもらった身だしな。さて……
教室を見回すと、教室の隅の一角で座り込んでいるシルフィードが目に付いた。
「どうしたんだよ。シルフィード。そんなに落ち込んで」
「あら……風人。試験は……?」
うわぁ……なんかすっごい負のオーラを感じる。暗い、暗過ぎる。ここだけ明度が違う気がするんだが……。
「合格したよ」
あっ……。シルフィードの目のハイライトが消えた。
「そ、そう……。風人は魔法初めてだったわよね……? それでも合格出来たのに私ときたら……フフフ、フフ……」
こ、これはやばい。思った以上に心のダメージが深刻だ。早くなんとかしないと……。
しかし、何でシルフィードが魔法使えなかったんだ……? いつも使っているのに。
――緊張して失敗するなよ。
あっそうか!
「シルフィード、もう一度行ってみない?」
「また失敗して……恥をかくだけよ……」
「そう言わずに。良いから。ほら」
そう言って強引に先生の所まで連れてきた。さて。
「先生。シルフィードも出来たみたいです」
「ちょ、ちょっと! 風人!」
そこで俺はシルフィードの方を向き……
シルフィードの顔の前で手を叩いた。
相撲で言う、猫だましだ。相手の思考をリセットする効果があるとか聞いたことがある。緊張するのは余計なことを考えるせいだ。一度思考をリセットさせてしまえば幾分か楽になるだろう。
「さぁ、シルフィード、頑張って」
「う、うん……」
「精霊よ、私に力を……火よ!」
ボウッ
俺の魔法より一回り大きな火球が出現した。成功だ。……ちょっと悔しい。
「はい。アルター・シルフィードさんも合格です。最初は不調のようでしたが、頑張りましたね。お疲れ様でした」
無事、二人共合格です。最近ネタを挟んでないのでそろそろ主人公を奇行に走らせたいですね。
次回の更新は二日後の夜です。




