第二十一話「授業の始まり」
楽しんで頂ければ幸いです。
数分が経ち、一人の大人の女性が入ってきた。教員だろう。うお。胸すげぇ……。豊満なモノが二つ……いや、止めておこう。何故か凄い寒気がする。もう数秒見続けていたら刺されそうだ。主に後ろから。嫁から。
「皆さんおはようございます。私は魔法の授業を担当させて貰っています。タラサ・トーレです。よろしくお願いします」
と、言って一礼した。生徒の何人かも釣られて礼をしている。
水色の髪の先生だ。髪型はショートで顔が良く見える。凄い美人だ。TRPG風に言うならAPPは17~18ぐらいだ。テンション上がってきた。
「では、早速授業を始めます。皆さんの教科書はまだ届いてないので、教科書の必要無い範囲で授業していきます。まずは……君。魔法、とは何だと思いますか?」
そう言って指名されたのはクラスタ・トルカッタだ。昨日話しかけてきた奴だな。……そういや明日話するって言ってたけど忘れてたな。後で話しかけるか。
「はいっ! 魔法とは、精霊の力を具現化し、操ることです」
「その通りです。えっと……」
タラサ・トーレ先生は手元の名簿を確認した。
「クラスタ君。よく勉強して来ていますね。偉いですよ」
「ありがとうございますっ!」
そういってクラスタ・トルカッタは席に着いた。
「今、クラスタ君が説明してくれた通り、魔法とは精霊の力を具現化し、操るものです。先生が一度やってみますね」
――精霊よ、私に力を。
そう言って先生は手を広げると、
親指の先からは火球が。
人差し指の先からは水球が。
薬指の先からは土塊が。
小指の先からは木が出現した。
「中指からは何も出てないように見えますが、風の魔法を使っています。授業を受けて鍛錬を積むとなんとなく分かるようになるので頑張って下さいね」
おおっ! 凄い! 俺も使えるようになりたいなぁ!
「凄い……! 一度に五つの属性を……」
シルフィードが後ろでそう呟いた。
「凄いわよ。……そうね、例えるなら、風人は両手で別の動きをすることが出来る?」
まぁ、難しそうだが練習すれば出来そうだ。首を縦に振る。
「タラサ・トーレ先生がやっていたことは、その五倍は難しいことよ」
すげぇ! 俺には無理そうだな……。美人で天才とかまじ先生ハイスペック。
「では、皆さんもやってみましょう。詠唱は黒板に書きますね。どの属性でも良いので出来たら先生に見せて下さい。出来た生徒はまだ出来ていない生徒に教えてあげて下さいね。では、始めて下さい」
いやー、学園モノと言ったら天才系美人教師ですよね!
次回の更新は明日の夜です。




