第十九話「自己紹介」
楽しんで頂ければ幸いです。
「入学式でも説明があったが、改めて自己紹介するぞ。俺がこのクラス、一年五組の担任を務めることになった、ガドー・ザルドだ。よろしくな」
そう述べた男性は、ガチムチ高身長の威圧感の凄い男性であった。
……まぁ、そのうち慣れるだろう。気長に待つとしよう。
「それでは、まずは自己紹介をしてもらう。えっと……あ、お前。お前から順に自己紹介をしていけ」
そういって指名されたのは、一番左にある窓際の席で最前列の青年だった。同い年くらいだ。
「えっと、僕はクラスタ・トルカッタと言います。冒険者の父に憧れてこの学校に来ました。よろしくお願いします」
そんな感じで自己紹介は過ぎていき……
「次、お前だ」
俺の番になった。
「桐山風人です。冒険者をしていたのですが、もっと知識と力が欲しかった為、この学校に来ました。よろしくお願いします」
「冒険者を経験してからの入学か。いい判断だ。此処で学べることは多い。存分に学んでってくれ」
「はい」
「次、お前だ」
シルフィードの番だ。
「私の名はアルター・シルフィードと申します。皆さんどうぞよろしくお願いします」
服をつまんで少し持ち上げ、頭を下げながらシルフィードは自己紹介した。
おぉ、流石元貴族だ。上品な感じの挨拶だなぁ。すごい。
んで、その後も順調に自己紹介は済んでいき……
「最後だな。じゃ、やってくれ」
「サードス・カルトです。よろしくお願いします」
髪が長くて顔はよく見えないが声質からして男だろう。元の世界でも似たような友達が居たなぁ。あいつ元気かなぁ。
「これで自己紹介は終わったな。それじゃ、こいつを配るぞ」
そう言って配られたのは手帳とバッジだった。
「学生手帳とバッジだ。無くすなよ。今日はこれでやることは終わりだ。授業は明日から始める。じゃあな。気をつけて帰れよ」
今日はもう終わりか。ちょっと暇になるな。シルフィードと依頼でもこなすかなぁ……。
「シルフィ――」
――バンッ!
俺の席を思い切り叩き、身を乗り出し、誰かがこちらに話しかけてきた。
「ねぇ、冒険者やってたんだよね! 魔物とはもう戦ったのかい!?」
次回の更新は明日の夜です。




