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第十六話「入学試験」

 すみません。少し遅れちゃいました。もう少しで日を跨いじゃうとこでした。

 楽しんで頂ければ幸いです。

 「さぁ、着いたわよ。起きて」

 

 「ん……おはよう」

 

 「……もう昼よ」

 

 もう昼らしい。ちょっと寝過ぎたな。ふぅ、長かった。馬車で1日揺られるのはなかなかキツいものがあった。なにせ揺れるから熟睡出来ない。……え? 昼まで寝てた? 知らんな。

 

 「入学試験いつだっけ?」

 

 「二日後の朝よ。起きてね?」

 

 失敬な。流石にそんな大事な日に寝坊なんてしないとも。

 

 「それじゃ、まず宿探そうか」

 

 「そうね。そうしましょう」

 

 そんな訳で俺とシルフィードは宿を探し始め……ようとしたんだが、馬車の人が良い宿を教えてくると言うので探さずに済んだ。

 

 荷物を置いて、手持ちを確認し一段落着いたので休憩する。さて、試験までどうしようかなぁ。シルフィードに聞いてみよう。

 

 「シルフィード、これからどうするか予定ある?」

 

 「無いわね。風人こそ、ある?」

 

 「いや、無い」

 

 駄目だこりゃ。うーん、まぁ、初めて来たし仕方ない。あっ、そうだ。

 

 「そうだシルフィード、此処の街の冒険者ギルドに行ってみない?」

 

 「良いわね! そうしましょう」

 

 目的が決まったので宿を出ることにした。鍵もちゃんと確認して……と。よし、行こう。

 

 「此処かぁ」

 

 「此処ね」

 

 おぉー木の造りでなんか西部劇にバーとして出てきそうな見た目してる。中に入ると、忙しなく動く職員と美人な受付さん、イケメンな受付さん、強面の冒険者さんが目に入った。おお、ザ、冒険者ギルドって感じだ。

 

 「どうする? シルフィード。来たはいいけど、依頼受ける?」

 

 「そうね……まぁ、お金はあって困るもんでもないし、試験まで稼ぎましょ」

 

 と、言われたので試験までの時間は依頼をこなすことに決まった。よーし。やるか。

 

 ――

 

 ――――

 

 ――――――

 

 さて、試験の日だ。気合い入れて行かなきゃなぁ。なんかシルフィードより先に起きしてしまったし、シルフィード起こしてから準備するか。思えば俺がシルフィード起こすのって初めてだな。

 

 「お――い。シルフィード。起きろ

 ――」

 

 起きないな。……よし。

 

 「起きないと、イタズラしちゃうぞ」

 

 起きない。では遠慮なくいかせてもらおう。まずはほっぺをぷにぷにしてみる。おお、柔らかい。……なんか俺変態みたいだな……。やめよう。体を揺すって起こすことにする。

 

 「ん……あら、今日は早起きしたのね」

 

 「あぁ。試験の日だからな。流石に寝坊して入学出来ませんでしたは格好悪いし」

 

 「フフ、そうね」

 

 そんな事を言いながら、朝飯を済ませ、準備をして宿を出た。

 

 暫くすると、目的の建物が見えてきた。

 

 「わぁ……。凄い人だかりね」

 

 「本当だ。凄いなぁ」

 

 冒険者育成学校の門の前は人で溢れていた。こんなに入学希望者が居るとは思わなかったな……。試験厳しかったらやだなぁ。……お、開いたみたいだ。取り敢えず中に入ろう。門を通ると、柔らかい土で出来た場所だった。少し距離があるが正面に校舎に続く入口も見える。てかこれ、日本で言うところの運動場だな。俺の通った小学校の運動場にそっくりだ。そんなことを考えていると……

 

 ――入学を希望の皆様、試験を始めます。

 さぁ、学園ラブコメも始めていきたいですねぇ!

 次回の更新は明後日の夜です。

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