表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/32

第十五話「冒険者育成学校」

 今回ちょっと長めです。

 楽しんで頂ければ幸いです。

 「ほら、起きて。朝よ。風人」

 

 「あ、おはよう。シルフィード」

 

 うーん、眠い。今何時だろう。この世界時計が無いんだよなぁ。従って、何時、とかいう概念も無い。さて、起こされてしまったし。朝食食べよう。あっ、シルフィードはどうしよう。俺だけ食べるのはなぁ。

 

 と、考えていると……

 

 「さぁ、朝食を食べましょ? 一緒に食べられるようにお弁当作ってきたの」

 

 そういうことらしい。

 

 食事を終え、皿の返却が終わるとシルフィードが話しかけてきた。

 

 「今日はどうするの?」

 

 「そうだなぁ。まぁ、稼がないとね。冒険者ギルドに行くよ」

 

 「分かったわ。それじゃあ、私準備してくるから部屋で待ってて。すぐ戻ってくるわ」

 

 「了解。俺も準備して待っとくよ」

 

 数十分後、俺達は冒険者ギルドに来ていた。どんな依頼があるかなぁ。と思っているとおじさんを見つけた。誰かと話しているようだ。

 

 「そろそろ冒険者育成学校の入学試験の時期だよな」

 

 「あぁ、もうそんな時期か」

 

 「懐かしいなぁ。お前は落ちこぼれだったか」

 

 「ちょ、暴露すんなよ」

 

 冒険者育成学校……? 何のことだろう。シルフィードに聞いてみよう。

 

 「シルフィード、冒険者育成学校って知ってる?」

 

 「勿論よ。知らない人なんて居ないわよ。東の街にある、冒険者になりたい者が集まり、必要な知識や武術、世渡りの方法なんかを学ぶ場所でしょ?」

 

 なるほど。そんな所があるのか。行ってみたいな……。

 

 「シルフィードも入学したの?」

 

 「いや、してないわ。元々、冒険者になる予定じゃ無かったからね」

 

 「あっ、悪いこと聞いたか……?」

 

 「気にしないで。冒険者になったからこそ風人に出会えたんだから」

 

 「シルフィード……」

 

 「おう、坊主。そういうのはギルドの外でやるもんだぜ」

 

 !?

 

 「おおぉ……ビックリした……。ガルドさん、驚かせないで下さいよ……」

 

 「ありゃ? なんだ坊主。一皮剥けた感じじゃねぇか。……そうか。嬢ちゃんと上手くいったんだな?」

 

 「あ……はい。昨日の夜に。」

 

 「そうか。そいつはめでてぇな。おめでとう。坊主」

 

 「それはそうと、ガルドさん。さっき話してた冒険者育成学校の事なんですけど」

 

 「なんだ。聞いてたのか。そういや坊主。最初は何にも知らなそうだったがあの学校には通って無いのか?」

 

 「はい。通ってないです」

 

 「やっぱりそうか。嬢ちゃんも多分通ってないだろ。丁度いいから揃って入学してこい。あの学校の授業は為になるからな」

 

 そうなのか……ガルドさんがこう言ってるし入学したいな……。シルフィードはどうなんだろ、と思いチラッと見てみる。目が合った。

 

 「フフ、行きましょうよ。冒険者育成学校」

 

 俺が思ってることはバレてるようだ。

 

 「あぁ。行こう。シルフィード」

 

 そうして俺とシルフィードは冒険者育成学校に入学することを決意した。入学金は一人二十万円だそうなので、二日間、依頼を掛け持ちしながらこなし、この日まで貯めていた分と合わせて二人分、四十万円を貯めることが出来た。ガルドさんも手伝ってくれたので思ったより早く終わった。

 

 ……そして、出発の日。

 

 「ガルドさん! 本当にありがとうございました!」

 

 シルフィードと二人で礼を言う。

 

 「おう。気にすんな。それより、頑張れよ」

 

 「はい!」

 

 俺の気合いの入った返事を聞くと、おじさんは頷き、去っていった。あの人には本当に感謝してもしきれないな。学校を卒業したら、また会いに行こう。

 

 「風人。馬車が出るわよ。早く乗って」

 

 「あぁ。分かった。」

 

 いい学校生活になると良いな。そんな事を思いながら、俺は馬車に乗ったのだった。

 さぁ、ついに物語が動き出しました!

 次回の更新は明日の夜です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ