第十四話「テンプレヒロイン」
楽しんで頂ければ幸いです。
え? ええええええええええ!!
ど、どうしてそうなった!? 思い出せ……自分が言ったことを確認しよう。
「とにかく、もうこの事は気にしないで下さい。どうしてもと言うなら……そうですね……一緒に居てくれませんか。片腕無いと不便ですし」
うん。確かに俺はこう言った。でも待てよ……? これ……
――おアツなところすまんが
――ヒューッ! おアツいねぇ!
…………あっ! そうか! あ――……そう言う捉え方も出来るよなぁ……。確かに、これじゃ彼女からしたらプロポーズみたいだよな。そういや顔赤らめてたし。てか気付けよ! 俺!
「――ねぇ、聞いてるの?」
!?
彼女の言葉で我に返った。さて、どうするか……。いや、まぁ、仕方ないよなぁ。
「はい。これから宜しくお願いします。奥様? ハハ、なんか可笑しいですね」
「フフ、そうね。こんな堅苦しいのは止めましょう。私の呼び名はシルフィードで良いわ。あとその口調は止めなさい」
おっと、これは? シルフィードは旦那を尻に敷く系奥様の素質があるようだ。今のはその片鱗だろう。
「分かったよ。それじゃあ、俺の呼び名も風人でいいよ」
「分かったわ。改めてよろしくね。風人」
「あぁ。シルフィード」
「よしっ! それじゃ、私は帰るわね。色々することもあるし」
「それじゃ俺も帰るよ。じゃ。」
そうして解散し、俺は自分の部屋に返って来た。あ――、まだ顔が熱い。きっと肌も赤、いや、紅く染まっている事だろう。ちょっとシルフィードのことを最初会ったときから思い出してみるか。
……
…………
あれ? おかしいぞ?
出会いはぶつかったこと。付き纏われて最終的に決闘。数日間の間を置き、次見つかったときはピンチ。助け、告白。
……やはりおかしい。何故こんなテンプレなヒロインが成立しているんだ? 俺のスキル【幻想殺し】はどんなテンプレでもぶっ壊す筈だが……。
――反魔法は凄い。
――味方の支援魔法まで防いじまう始末だ。
あっ、そうか! 反魔法! なるほど。俺の【幻想殺し】は物理攻撃じゃない。だからシルフィードの反魔法で防がれてた訳か。なるほど。だからテンプレヒロインが成立してたのか……。
さて、謎も解けたことだし寝よう。明日も良いこと有るといいな。おやすみ。
さて、今度こそ……心残りは無いです。ほんとにそろそろ物語を動かしていきたいですね。街を出ちゃってもいいかも……?どうなるかは執筆中の気分次第です!
次回の更新は明日の夜です。




