59話 試合の終わりに
「っち!」
この試合一番の激しいディフェンスが真琴を襲う。
もちろん目の前にいるのは畑ヶ田だ。
「真琴、こっちだ!」
「頼んだ!」
真琴は烏山にボールを回し前を走る。
それに合わせて前方にパスを投げる。
「ナイスパスだ!」
再びボールをキャッチしゴールへと向かう。
「させない!!」
「しつこい!」
しかし、畑ヶ田も意地をみせる。
右側にフェイントをかけて突破・・・しかしその奥にはキャプテン・越智田が立っていた。
(くそっ!この距離じゃシュートは打てない!!)
「むっ!?」
「先輩!!」
「っ!ナイスだ!!」
仁井のスクリーンにより越智田を抜いてシュートを放った。
ザシュ
「よしっ!!」
「ナイッシュ!」
それからの試合は一進一退。
お互いに激しい攻防を繰り広げている。
「いけっ!!真琴!!」
「決めてください!!先輩!」
「うおぉぉぉぉ!!!」
烏山や他のメンバーにフォローしてもらい、真琴はシュートを放った。
そのボールは綺麗な弧を描きリングへと吸い込まれいった。
そして、それと同時に試合終了のブザーが鳴り響く。
得点ボードに表示されている数字は・・・
76:72
春桜高校の勝利が確定した瞬間だった。
「・・・や・・・やったぁぁぁぁ!!!」
「よっしゃあああ!!!」
観客達もその熱かった試合に声を送る。
「すげえ!!東条高校に勝ったぞ!!」
「両方とも凄かったぞ!!」
「ナイスプレーだったぞ!」
喜びを露わにする春桜高校と変わって、東条高校のメンバー、控えはというと・・・
無言で立っていた。
「先輩・・・すみ、ません・・・」
「・・・畑ヶ田・・・」
「俺が、もっと強ければ・・・」
「お前は十分に戦った・・・だから・・・」
「せ、先輩・・・」
フッと笑い、越智田は畑ヶ田の頭に手を乗せる。
「もう泣くな、次は勝とう」
「・・・っ!」
「分かったな?」
「っはい!」
涙を拭き、整列をする。
「76:72、よって春桜高校の勝利!礼!!」
「「「ありがとうございました!!」」」
ベンチに戻り、帰り支度をする。
メンバーの顔には疲れがみられるものの笑顔だ。
「・・・ん?」
真琴の背後に誰かが近づいてくる。
「・・・お前か」
「・・・・」
それは畑ヶ田だった。
「・・・次は負けない」
「まぁ・・・戦う機会があったらな」
真琴はそれだけ伝えると、その場を後にした。




