54話 攻防
「よっしゃ!よくやったぞ!」
「はい!」
春桜高校のベンチにて、仁井を褒める烏山。
最後のボールを奪い取りそれを得点に繋げたというのは大きい。
「仁井、よく走ってたな」
「あの畑ヶ田って野郎は嫌いっすからね!活躍なんてさせるもんですか!」
「だが...あいつがこのまま大人しくしているというのは考えられないな」
郷田が東条高校のベンチを見ながら言葉を零す。
一方、その東条高校では...
「くっそ!」
「畑ヶ田落ち着け、お前の悪い癖だぞ」
「悔しいっすね...あいつらにやられっぱなしは!」
「普段のお前のプレーならばこはならなかったな」
「....」
「お前は春桜高校を舐めすぎだ。郷田が試合に出ないとはいえ、向こうにも実力者がいる」
「...あの野郎っすか」
「ああ、お前をマークしている東仙寺という男だ」
「確かに、思った以上にあいつは強いっす」
「畑ヶ田...」
「でも、このままじゃ終われない!」
「...っふ、頼りにしているぞエース」
「うっす!」
(この畑ヶ田が認める程の男か...だが、獲物を前に大人しくしている程軟弱な奴じゃないぞこいつは。2クォーター目が楽しみだ)
そして、ブザーが鳴った。
これは次のクォーターが始まる合図だ。
「よし、行ってこい!」
「「「はい!!」」」
東条高校からのボール。
真琴は選手達の表情が気になった。
(やる気満々って感じだな)
先程とは違い、その目には勝つという意思が強く見える。
越智田や畑ヶ田だけじゃない。
東条高校というのは精鋭揃いのチームなのだ。
「こっちだ!」
ポイントカードから畑ヶ田にボールが渡される。
マークを付くのは真琴だ。
「っ!スイッチ!」
真琴の行く手を阻むように、東条高校の選手がガードをする。
その場所から畑ヶ田が中に切り込んでいった。
「はぁっ!」
ジャンプシュート、そのシュートブロックに入るのは中にいた烏山だ。
タイミングはピッタリ、ブロック出来る。
...が
「そこだ!」
烏山が畑ヶ田の方向へ行った事により、越智田には誰もディフェンスをしていない。
その隙を見逃さなかった。
「ナイスパスだ!」
越智田へとパスを送り、受け取った瞬間シュートを決められる。
「もちろんっすよ!」
「真琴!速攻!!」
「っ!」
越智田がシュートを決めた瞬間に、真琴は前へと全速力で駆けていった。
そこに烏山のロングパスだ。
(決められたら、決め返す!!)
真琴はそのロングパスを受け取りレイアップ。
誰もディフェンスに付いていなかった為、軽々得点を決めた。




